スズキ・ディザイア

スズキ ディザイア (DZire) の歴史と進化

スズキのインド法人マルチ・スズキ・インディアが製造・販売する小型セダン「ディザイア（DZire）」は、インド市場において高い人気を誇る主力車種です。その歴史は、前身となる「スイフトディザイア」から始まり、幾度かのモデルチェンジを経て現在の姿に至ります。ここでは、各世代のモデルチェンジと進化の過程を詳しく解説します。

初代 (2008年 - 2016年)：スイフトディザイアの誕生

2008年3月、2代目スイフト（ZC#1型）をベースとした「スイフトディザイア（Swift DZire）」が誕生しました。全長を4,160mmに延長し、セダンとしてのトランクスペースを確保したことが特徴です。エンジンは当初1.3Lガソリンとフィアット製1.3Lディーゼルが搭載されましたが、2010年には排出ガス規制対応のため1.3Lガソリンが1.2L K13B型に変更されました。2012年には2代目が登場しましたが、初代モデルは「ディザイアツアー」として、タクシー向けに内外装を簡略化した上で2016年まで販売が継続されました。

2代目 (2012年 - 2023年)：税制対応と燃費性能の向上

2012年2月、3代目スイフト（ZC#2S型）をベースとした2代目「ディザイア」が登場しました。税制面を考慮し、リアデッキを短縮したことで全長は3,995mmに短縮されました。エンジンは1.2L K12B型と1.3L D13A型が搭載され、トランスミッションは5速MTに加え、ガソリン車には4速ATがオプション設定されました。2015年には一部改良が施され、インドで最も燃費の良いディーゼル車と評価されました。2016年1月には、AGS（オートギヤシフト）を搭載したモデルも追加されました。2017年5月に3代目が登場しましたが、2代目モデルは「ディザイアツアーS」として法人向けに2023年まで販売が継続されました。当初は1.3Lターボディーゼルも搭載されましたが、排出ガス規制に対応できず2020年4月に廃止され、その後は1.2LガソリンとCNG仕様のみとなりました。

3代目 (2017年 - 2024年)：スイフトからの独立とプラットフォーム刷新

2017年5月16日、3代目がインドで発売され、車名が「ディザイア」に変更されました。スイフトから独立したモデルとなり、プラットフォームには4代目スイフト（ZC#3S）と共通の「HEARTECT（ハーテクト）」を採用し、軽量・高剛性のボディを実現。走行性能と低燃費を両立させ、インドの新しい法規制にも適合しました。エクステリアデザインも一新され、Aピラーより後ろは専用設計となり、流麗なスタイリングと高い乗降性を実現しました。全長は3,995mmに維持され、税制面にも配慮されています。セグメント初となるアイドリングストップシステム「ISS」の採用や、インテリアのリニューアルも行われました。エンジンは1.2L K12B型と1.3L D13A型の2種類で、トランスミッションは5速MTと5速AGSが選択可能でした。2020年3月には、フロントマスクの変更やボディカラーの追加が行われました。

4代目 (2024年 - 現在)：安全性能の強化と輸出拡大

2024年11月11日に4代目がインドで発売されました。外内装が刷新され、ガソリンエンジンは5代目スイフトと同じZ12E型へ換装されました。エアバッグが6つに増強されたほか、ESPやヒルホールドコントロールが全グレードに標準装備され、安全性能が大幅に強化されました。3代目同様、インド周辺国、中近東、アフリカ、中南米市場への輸出に加え、本代ではアセアン市場への輸出も開始されます。

まとめ

スズキ「ディザイア」は、インド市場のニーズに応えながら進化を続けてきました。初代から現行モデルまで、各世代でデザイン、機能性、安全性が向上し、インド国内だけでなく、グローバル市場においてもその存在感を高めています。




関連情報

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外部リンク

DZIRE - マルチ・スズキ・インディア

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