スズキ・SV

スズキSVシリーズ：スポーツバイクの歴史を彩る名車たち

スズキが製造・販売してきたスポーツバイクシリーズ「SV」は、その多様なモデル展開と魅力的なデザインで、多くのライダーから支持を集めてきました。本稿では、SVシリーズの歴史と各モデルの特徴について詳細に解説します。

SV400/S (1998-2006)

1998年に登場したSV400は、4ストローク水冷90度V型2気筒エンジンを搭載したミドルクラスのスポーツバイクです。スポーティなハーフカウルを装備したSV400Sと、シンプルで扱いやすいネイキッドモデルのSV400の2種類がラインナップされました。発売当初はシングルディスクブレーキでしたが、後に前後ダブルディスクブレーキへと変更されています。SV400SはSV400よりも高価格で設定されていました。両モデルは2006年末に生産を終了し、後継車種として2009年にグラディウスが登場しました。

SV1000/S (2003-2008)

2003年に発売されたSV1000Sは、TL1000S/Rの後継モデルとして登場しました。TL1000S/Rのエンジンを踏襲しながらも、角張った斬新なデザインを採用することで、イメージを一新しています。後にネイキッドモデルのSV1000も発売されましたが、SV1000Sに一本化され、生産終了となりました。特徴的な点は、400ccモデルとは異なり、セミカムギアトレーンを採用しているエンジンです。また、馬力規制の影響を受け、日本仕様は94psに抑えられていた一方、欧州仕様は120psを発生させていました。日本での生産終了は2006年12月、輸出仕様は2008年に終了しました。

SV650/S (1999-2011, 2015- )

1999年に発売されたSV650は、SV400の上位モデルとして登場しました。SV650SとSV650の2モデルがラインナップされましたが、国内での人気は低迷し販売終了となりました。しかし、海外、特に欧州市場では高い人気を誇り、その後モデルチェンジを経て、1000ccモデルの下位機種としてラインナップされました。エンジンは、イタリアのカジバ社製RAPTOR650にも搭載されました。2008年には、SV650系エンジンを搭載した新型グラディウス(SFV650)が発売されましたが、SV650Sは2011年以降も併売されました。

2016年モデル以降

2015年には、ネイキッドスタイルでABS仕様も追加されたSV650/Aとしてフルモデルチェンジが行われ、2016年8月には日本仕様のSV650 ABSが発売されました。エンジンはグラディウス650のものをベースに、欧州のEURO4排出ガス規制(日本の平成28年規制と同等)に対応した改良が加えられ、「ローRPMアシスト」機能も搭載されました。車体も軽量化が図られています。

SV650X (2017- )

2017年の東京モーターショーで参考出品されたカフェレーサースタイルのカスタムモデルSV650Xは、2018年に正式に販売が開始されました。2023年モデルではカラーリング変更のみが行われ、19年ぶりのシルバーが採用されました。ABSとローRPMアシストは標準装備です。

まとめ

スズキSVシリーズは、時代に合わせて進化を遂げながら、長きにわたりライダーに愛されてきたモデルです。多様なモデルバリエーションと、それぞれのモデルが持つ個性は、多くのライダーを魅了し続けています。今後も、スズキのスポーツバイクシーンにおいて重要な存在として、その活躍が期待されます。

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