スズキ・ZZ

スズキ セピアZZとZZ：人気スクーターの歴史

スズキはかつて、セピアシリーズという人気の原付スクーターを製造販売していました。その中でも、セピアZZと、その後継車種であるZZは、高い人気を誇ったモデルとして知られています。本稿では、これらのモデルの歴史や特徴について詳細に解説します。

セピアZZ：スポーティな原付スクーターの誕生

セピアZZは、1989年に登場したセピアシリーズのスポーツモデルとして、1990年に発売されました。セピアシリーズは、それまでのHi-UPシリーズの後継として誕生し、当時としては斬新だったメットイン機能を搭載していました。

セピアZZは、セピアの基本設計を踏襲しつつ、よりスポーティな仕様に改良されていました。具体的には、エンジン出力はセピアよりも0.2馬力向上した7.0馬力、ボトムリンク式フロントフォークとフロントディスクブレーキを採用、そして他社に先駆けてハイマウントストップランプを搭載していました。これらの充実した装備により、セピアZZは多くのユーザーから支持を集め、ヒットモデルとなりました。

1993年には、セピアシリーズのモデルチェンジに伴い、セピアZZも後期モデル（CA1HC = AJ50ZZ）へと進化しました。エンジン出力は自主規制上限値の7.2馬力に到達、スタイルも大幅に変更されました。

ZZ：独立モデルへの進化

1990年代後半、スズキは50ccスクーターのラインナップ整理を進めていました。その中で、セピアシリーズは販売終了となりましたが、セピアZZの人気の高さを考慮し、「ZZ」という独立した車種としてモデルチェンジされました。

2000年3月（公式発表は4月1日）、ZZ（CA1PB = AZ50R）が発売されました。セピアZZの後を受け継ぎ、7.2馬力のエンジンを搭載。最大の特徴は、12インチ6本スポークのアルミ製キャストホイールです。一般的な50ccスクーターは10インチのスチールホイールが主流だったため、ZZのホイールはデザイン性と直進安定性を大幅に向上させました。さらに、ショーワ製のゴールドアルマイト処理されたサスペンションも採用され、見た目と性能の両立が図られていました。

伝統であるフロントディスクブレーキ、リアウィング、ハイマウントストップランプも装備され、「走り」と「見栄え」の両方を重視した設計がなされていました。ただし、これらの充実した装備により、価格はそれなりのものとなり、新車価格は15～17万円程度でした。ベース車両はセピアからレッツIIに変更されています。

ZZは、50ccクラスで自主規制上限値の7.2馬力を発揮する最後のモデルの一つであり、ハイパワーエンジンと上質な足回りで人気を集めました。しかし、2007年8月31日、自動車排ガス規制の強化により生産終了となりました。

まとめ

セピアZZとZZは、スズキが送り出したスポーティな原付スクーターとして、高い人気と評価を得ていました。その歴史と特徴を知ることで、これらのモデルがいかに時代の先端を行く存在だったのかを理解できるでしょう。時代の変遷とともに、生産は終了してしまいましたが、今でも多くのファンから愛されているモデルと言えるでしょう。

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