スタア誕生 (テレビドラマ)

スタア誕生

概要

『スタア誕生』は、1985年4月から11月にかけてフジテレビ系列で放送されたテレビドラマで全28話展開されました。制作は大映テレビが手掛けています。原作は、長野洋と飛鳥ひろしによるオリジナル作品で、当初のタイトルは『スター誕生』でしたが、同名のオーディション番組があり、タイトル変更を余儀なくされました。主人公を演じるのは堀ちえみで、彼女は『スチュワーデス物語』以来、約一年ぶりのドラマ出演となります。放送予定よりも視聴者の反響が非常に大きかったため、放送回数が急遽2回増加し、全28話となりました。

物語は、長野県の高校に通う演劇部の少女が、心臓に病を抱えながらも女優の夢を追い求める姿を描いた青春ドラマです。様々な試練を乗り越え、彼女の成長と人間ドラマが展開されます。

あらすじ

1985年3月、長野県の御岳高等学校に通う河田順子は、演劇部の一員として活躍しています。彼女は町長である父と家業を営む母に愛情深く育てられ、将来は東京の大学に進学し女優になることを夢見ています。しかし、順子は幼少期から体が弱く、運動をすると胸に痛みがあり、両親は彼女の夢に対して強い反対を抱いていました。

ある日、順子は男性の影に気づきます。彼は加賀幸平という人物で、彼女が自分の娘であると名乗ります。その告白により、彼女が養子であることが判明し、改めて加賀の家で生活を始めることに。東京での新生活は、私立富士見女子学園への転校、友人の発見、演劇界の著名なディレクター・三上との出会いなど、順調に見えました。しかし、心臓に関する病気が彼女の女優としての夢を脅かすことになります。

幸平は過去の事件から逃亡生活を送っており、順子は彼の状況を案じます。その中で、義母孝子が事故に遭遇し、順子は彼女のリハビリを手伝いながら、俳優塾でのトレーニングに打ち込みます。しかし、同級生たちからは幸平のせいで冷たくあしらわれることもあり、彼女は周囲との葛藤や自己の夢に対する強い意志を試される日々を送ります。

困難を乗り越えた順子の成長は、多くの人々の心を打ちます。彼女は、演技指導を行う三上の厳しいレッスンを受けながら徐々に自身の感情や思いを表現できるようになり、支えてくれる友人の存在によって、ますます女優の夢に挑む姿勢を貫いていきます。

キャスト

• - 加賀（河田）順子 - 堀ちえみ：心臓疾患を抱えつつ女優を志す17歳の少女。
• - 広沢伸之 - 国広富之：順子の主治医で彼女に惹かれるが、プラトニックな関係を維持。
• - 三上淳一 - 若林豪：順子の演技を見出したディレクター。
• - 加賀幸平 - 梅宮辰夫：順子の実父で、警官刺殺事件の容疑者。
• - 加賀孝子 - 梶芽衣子：順子の義母。

物語は演劇を通じての成長、愛、悲劇、仲間との絆を描き、視聴者に深い感動を与えました。特に演技や劇の真剣さが際立った作品で、観る者々の心を捉え続けました。『スタア誕生』は、彼女のおかれた環境や人間関係を通じ、様々な試練を乗り越えてゆく清らかな青春ドラマとして、多くの人に愛された作品となりました。

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