スタジオ・イースター

有限会社スタジオ・イースターの概要

有限会社スタジオ・イースターは、アニメ業界における重要な背景美術制作会社です。1985年に設立され、アニメーション美術監督の東潤一が、竜の子プロダクション（現: タツノコプロ）を退職後に立ち上げました。東京を拠点に、韓国にも支社「KOREA EASTER STUDIO」を持っています。

この会社では、主にアニメーションの美術背景やデジタルペイント、撮影作業を行っており、さらに3DCGによるアニメーション制作も手がけるなど、多岐にわたるサービスを提供しています。特にトムス・エンタテインメントやP.A.WORKS、動画工房といった大手制作会社とのコラボレーションが多く、質の高い美術背景を提供しています。

制作チーム

スタジオ・イースターでは、さまざまなプロジェクトにチームを編成しており、それぞれのチームには個別の名称が付けられています。以前は「さくら組」や「やつ組」、また「紅葉組」などの名称を用いて、プロジェクト参加時に特定の美術監督の名前ではなく、チーム名をクレジットすることがありました。このような取り組みを通じて、スタジオの文化とチームワークを強調しています。

労働争議

一方で、スタジオ・イースターは過去に労働争議にも直面しました。2012年2月には、社員3名が未払い残業代やパワーハラスメントに関する慰謝料を求めて同社を訴えました。訴状には、長時間のサービス残業、パワハラ、退職の強要、さらに最低賃金を下回る給与が含まれていました。特に2009年12月に新入社員が受けた研修中の時給は、東京の最低賃金である821円を大きく下回る250円であったことが問題視されました。結果、2014年5月30日に東京地方裁判所において和解が成立し、この問題は終結を見ました。

主な参加作品

スタジオ・イースターは、数多くのテレビアニメや劇場アニメ、OVAに関与しています。1980年代には「機動戦士Ζガンダム」や「シティーハンター」に参加し、その後も「カウボーイビバップ」や「名探偵コナン」など、多岐にわたる作品に美術背景を提供してきました。2000年代以降も「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」や「言の葉の庭」など、ヒット作品の制作に携わっています。

スタジオは、特にアニメーションの美術面において重要な役割を果たしており、業界内外から高い評価を受けています。アニメ制作の裏側には、スタジオ・イースターのような専門的な技術を持つ企業の存在があることを忘れてはなりません。

まとめ

有限会社スタジオ・イースターは、日本のアニメ制作において欠かせない存在です。多くの名作に携わる一方で、労働環境に関する問題にも取り組み、改善を図る姿勢を見せています。今後もアニメ界において技術力を発揮し、さらなる発展を遂げることが期待されます。

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