スタッド・ロシュレ

フランス南西部に位置し、大西洋に面した歴史ある港町ラ・ロシェルを本拠地とするプロフェッショナルラグビーユニオンクラブ、それがスタッド・ロシュレです。フランス国内最高峰リーグであるトップ14に所属しており、その本拠地名から「ラ・ロシェル」の愛称で多くのファンに知られています。

創設と初期の歩み

クラブは1898年に設立され、一世紀以上の長い歴史を誇ります。古くからフランスラグビー界において存在感を示しており、特に国内カップ戦であるシャランジュ・イヴ・デュ・マノワールでは、2002年と2003年春に立て続けに優勝を果たすなど、強豪の一角としての地位を築いていました。

トップリーグへの挑戦

長らく国内トップリーグ昇格を目指して戦い続け、2013-14シーズンには2部リーグにあたるプロD2で見事優勝を果たしました。この優勝によって、クラブは念願であったフランス最高峰の舞台、トップ14への昇格を達成しました。

近年の躍進と欧州の舞台での輝き

スタッド・ロシュレは、特に近年、目覚ましい躍進を遂げています。欧州のクラブ王者決定戦であるヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップにおいて、その実力を遺憾なく発揮しました。

2020-21シーズンにはクラブ史上初めてこの大会の決勝に進出。しかし、同じフランスの強豪クラブであるトゥールーズに惜しくも敗れ、準優勝に終わりました。この経験はチームをさらに強くし、翌2021-22シーズンには再び決勝の舞台へ。アイルランドの強豪レンスターとの激闘を制し、クラブにとって初となる欧州クラブ王者のタイトルを獲得しました。

その勢いは止まらず、2022-23シーズンも決勝に進出。相手は前年と同じレンスターでした。厳しい戦いを勝ち抜き、見事2年連続で欧州の頂点に立ち、強豪としての地位を不動のものとしました。

国内リーグでの挑戦

欧州での成功とは対照的に、国内トップ14での優勝はまだ果たせていません。ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップで連覇を達成した2022-23シーズンには、国内リーグでも決勝に進出しましたが、試合終了直前に逆転を許すという劇的な展開の末、惜しくも敗れて準優勝に終わりました。これは、2020-21シーズンに続く、トップ14決勝での2度目の準優勝でした。

獲得タイトル

スタッド・ロシュレがこれまでに獲得した主要タイトルは以下の通りです。

国内タイトル
フランス選手権（トップ14）: 準優勝 2回（2021年、2023年）
シャランジュ・イヴ・デュ・マノワール: 優勝 2回（2002年、2003年）

国際タイトル
* ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ: 優勝 2回（2022年、2023年）、準優勝 1回（2021年）

著名な所属選手

クラブの長い歴史の中で、スタッド・ロシュレには国内外から多くの才能溢れる選手たちが在籍してきました。ベルギー代表のジュリアン・バーガー、トンガ代表のマリエトア・ヒンガノやシラ・プアフィシ、サモア代表のピウア・ファアサレレ、アファ・アモサ、ファイフィリ・レヴァヴェ、モトゥ・マトゥウ、フィジー代表のサヴェナザ・ラワザ、イタリア代表のピエトロ・チェッカレリ、ジョージア代表のグラム・パイドゼ、アルゼンチン代表のラミロ・エレーラといった各国の代表選手がクラブに貢献しました。また、ラグビー強豪国であるニュージーランドからはレネ・レンジャーやヴィクター・ヴィト、オーストラリア代表のロペティ・ティマニといったスター選手も在籍し、チームを牽引しました。フランス代表選手では、トマ・ジョルメス、ヴァンサン・ラッテ、ジュール・プリソン、ヨアン・タンガなどがクラブの歴史に名を刻んでいます。7人制ラグビーのフランス代表選手、スティーブ・バリーやジャン＝パスカル・バラクも在籍した経験があります。

本拠地

クラブのホームスタジアムは、ラ・ロシェル市内にあるスタッド・マルセル・デフランドルです。多くの熱狂的なファンがここに集まり、チームを応援しています。

スタッド・ロシュレは、伝統と革新を融合させながら、国内外の舞台で更なる成功を目指し、挑戦を続けています。

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