スタッフ (バンド)

スタッフ（Stuff）

スタッフは1970年代後半から1980年代前半にかけて活動したアメリカのフュージョン・バンドです。彼らの音楽は、ジャズやソウルなどの多様なジャンルが融合しており、その技巧的な演奏は多くのリスナーに支持されました。

キャリアの始まり

結成当初のメンバーは、ゴードン・エドワーズ（ベース）、コーネル・デュプリー（ギター）、エリック・ゲイル（ギター）、リチャード・ティー（キーボード）、スティーヴ・ガッド（ドラム）、クリストファー・パーカー（ドラム）の6人で構成されていました。彼らは皆、ニューヨークを拠点に活動していたスタジオ・ミュージシャンであり、1970年代後半に訪れたフュージョン・ブームの波に乗りました。

コーネル・デュプリーは、ブルック・ベントンの「雨のジョージア」などで名を馳せており、エリック・ゲイルやスティーヴ・ガッドもそれぞれの活動を通じて高い評価を得ていました。特にスティーヴ・ガッドは、ハービー・マンの「ハイジャック」などで知られ、さまざまなジャンルで活躍していました。

音楽スタイル

スタッフの音楽は、ジャズ、ソウル、ファンクなどが混在しており、ザ・クルセイダーズやスパイロ・ジャイラ、ジョージ・ベンソンといった他のフュージョン・アーティストと同様に、独自のスタイルを確立しました。彼らの演奏は技巧的かつ感情豊かであり、多くの楽曲がフュージョン・シーンでの名曲となっています。

活動の拡大

1960年代半ば、ゴードン・エドワーズが結成した「エンサイクロペディア・オブ・ソウル」がスタッフの前身となり、その後1970年代にはニューヨークでのクラブ演奏を通じて人気を博しました。メンバーの流動性がありながらも、1970年代半ばには固定メンバーが固まっていきました。

1975年には、ヴァン・マッコイの大ヒット曲「ハッスル」に4人が参加し、さらなる注目を集めることになりました。その後、彼らはアルバムの制作に取り組むようになります。1976年には『スタッフ!!』でレコード・デビューを果たし、フュージョン・ブームの最中、アルバムは好評を博しましたが、商業的な成功には恵まれませんでした。

1977年には続けて『モア・スタッフ』、1978年には『スタッフ・イット』をリリースし、同年東京でのライブは『ライヴ・スタッフ』としてアルバム化されました。また、1980年にはニューヨークでのライブを収録した『イン・ニューヨーク』も発売されました。

解散と再結成

その後、メンバーはソロ活動に専念することになり、結果的にバンドは自然消滅しました。しかし、スティーヴ・ガッドを中心にした新たなグループ、ガッド・ギャングが結成されるなど、メンバー同士の絆は続いていました。

1993年にリチャード・ティーが癌で亡くなると、ゴードン・エドワーズはスタッフを再結成し、アルバム『メイド・イン・アメリカ』をリリースしました。翌年にはエリック・ゲイルも亡くなり、その後バンド名を「スタッフ2」に変更し活動を続けました。2001年には再度『ナウ!』というアルバムをリリースし、メンバーそれぞれが音楽シーンで活躍し続けました。

2011年にはコーネル・デュプリーが肺気腫のため亡くなり, バンドの歴史は繋がりをもって進展していきました。

ディスコグラフィ

スタッフは多くのアルバムをリリースしており、代表的な作品には以下のものがあります。

• - 『スタッフ!!』 (1976年)
• - 『モア・スタッフ』 (1977年)
• - 『スタッフ・イット』 (1978年)
• - 『ライヴ・スタッフ』 (1978年、東京でのライブ録音)
• - 『イン・ニューヨーク』 (1980年)
• - 『メイド・イン・アメリカ』 (1993年)
• - 『ナウ!』 (2001年)

これらのアルバムは、今もなお多くのファンに親しまれています。彼らの独自の音楽スタイルと巧みな演奏は、多くの後進のアーティストに影響を与え続けています。

もう一度検索