スタテンアイランド鉄道

スタテンアイランド鉄道（Staten Island Railway、略称SIR）は、ニューヨーク市に属するスタテンアイランド島内を走る鉄道路線です。この鉄道は、ニューヨーク都市圏の公共交通機関を運営するメトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ（MTA）の傘下である、Staten Island Rapid Transit Operating Authorityによって運営されています。しばしば、運営会社自体を指して「SIR」と呼ぶこともあります。

運行と車両

SIRは、ニューヨーク市地下鉄で使用されているR44型車両の派生型と最新のR211S形車両を保有しています。特筆すべきは、乗客が地下鉄路線と自由に乗り換え可能であり、地下鉄の路線図にもSIRが含まれている点です。しかし、路線が島外へ繋がっていないため、マンハッタンへ向かう通勤客は、通常、島の北側からフェリーに乗り換える必要があります。

SIRの列車は各駅停車が基本で、24時間運行しています。ただし、平日朝夕には、南北方向の双方向と、夕方の南行（トッテンビル方面）には急行列車も運行されています。

歴史

SIRの歴史は1860年に遡ります。当初は、フェリー乗り換え駅であったトムキンスビルから、現在の南端ターミナル駅であるトッテンビルまでが開通しました。その後、ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道（B&O）がこの鉄道を買収し、ニューヨーク市街地への旅客・貨物輸送路線の開発を目指しました。B&Oの支援により、トムキンスビルから北への路線延伸が加速し、複線化やトンネル建設が進められました。その結果、路線は島の北東部のセント・ジョージまで延伸されました。この地域には、マンハッタンへのフェリーターミナルや車両基地、車両移動用の浮き桟橋が整備されました。1924年8月には、島内の3つの旅客路線で電化工事が完了しました。

車両

現在、SIRでは以下の2種類の車両が使用されています。

R44形
R211S形

運賃

SIRの運賃制度は独特で、セント・ジョージ駅か隣のトムキンスビル駅で乗降する場合のみ、2.25ドルの運賃が必要です。これら以外の駅間を利用する場合は、運賃が無料になります。1997年以前は、複数の駅をまとめたゾーン制が採用されていましたが、ゾーンは全線で一つであり、実質的に均一運賃でした。運賃の支払いは、現金またはMTA発行のプリペイドカードであるメトロカードが利用できます。

今後の計画

現在、SIRに関する具体的な計画は公式には発表されていません。

駅一覧

SIRの全駅のリストは、MTA NYC Transitの公式サイトで確認できます。

参考資料

MTA NYC Transit - Staten Island Railway (公式サイト)を参照してください。

詳細については、以下のリンクから公式ウェブサイトをご参照ください。
MTA NYC Transit - Staten Island Railway

もう一度検索