スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ

スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ

スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマは、イタリアの首都ローマに位置し、70,634人を収容できる多目的スタジアムです。ASローマとSSラツィオのホームスタジアムとして知られ、サッカーだけでなく、ラグビーのイタリア代表戦も開催される重要なスポーツの拠点です。

このスタジアムは1953年に竣工され、ローマオリンピック（1960年）のメイン会場として利用されるために建設されました。スタジアムの愛称は「オリンピコ」で、スポーツ愛好家にとって特別な場所となっています。スタジアムの周辺には、1909年に「フォロ・イタリコ」という名の下で都市計画が提案され、その実現に向けた動きが見られました。

1925年には、当時の首相ベニート・ムッソリーニの命令によって、地域の住民が強制移転させられ、建物が取り壊されましたが、第二次世界大戦の影響でその再開発は一時中断されました。しかし、戦後すぐにプロジェクトは再開され、1953年のイタリア代表対ハンガリー代表の国際Aマッチを経て、スタジアムの歴史が始まりました。この試合では、ハンガリー代表が3-0で勝利し、最初の得点者ヒデクチ・ナーンドルの名前が刻まれています。

初期のスタジアムは、70,000人を収容できたものの、観客席の傾斜が緩やかであり、臨場感の不足が指摘されることがありました。それに対処するため、1989年には1990 FIFAワールドカップの開催に向けて大規模な改修工事が実施され、観客席やスタンドの構造が大幅に変更されました。この工事では鉄筋コンクリートを使用した新たなスタンドが設置され、ピッチとスタンドの距離も縮められ、半透明の片持ち梁式屋根が追加されることで、観客の観戦環境が大幅に改善されました。

さらに、2007年にはUEFAチャンピオンズリーグ2008-09決勝の開催に向けて安全性の向上を中心にした改修が行われ、ドレッシングルームの整備や全ての座席の交換が実施されました。新しい大型液晶装置も設置され、これによりスタジアムの機能性が向上しました。その結果、収容人数は80,000人弱から70,634人に減少しましたが、観客の安全と快適さが優先される形となりました。

スタディオ・オリンピコはサッカーの国際大会や重要なイベントの開催地としても知られており、1968年と1980年のUEFA欧州選手権、1990 FIFAワールドカップ、UEFA EURO 2020など、数々の成し遂げられた大会の舞台となりました。また、音楽コンサートなど様々なイベントでも利用されることで、多くの人々に親しまれています。スタジアムは、スポーツだけでなく文化の発信地として、ローマの象徴的な存在となっています。

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