スタンディングスタート

スタンディングスタート：陸上競技とモータースポーツにおけるスタート方法

陸上競技でのスタンディングスタート

陸上競技、特に800メートル以上の長距離種目では、スタンディングスタートが用いられます。これは、選手が立った姿勢で、足を前後に開いて構え、号砲を合図にスタートする方式です。片方の足を前に出し、スタートラインに足がかからないよう注意します。号砲前に動くと失格となります。

クラウチングスタートと比較すると、スタンディングスタートは推進力は劣りますが、姿勢が安定しており、失敗が少ないという特徴があります。選手は「位置について」の合図の後、落ち着いて構え、スタートを待ちます。安定した姿勢を保つことが、好タイムにつながる重要な要素となります。

スタンディングスタートは、以下の種目で一般的に採用されています。

800メートル
1500メートル
3000メートル
5000メートル
10000メートル
ハーフ[[マラソン]]
マラソン
3000メートル障害
* 競歩

モータースポーツでのスタンディングスタート

モータースポーツでは、フォーメーションラップを経て、決められたグリッドに停止し、信号機によって一斉にスタートする方式をスタンディングスタートと呼びます。F1やMotoGPなどのレースで広く採用されています。

スタート手順は以下の通りです。

1. フォーメーションラップの後、各車両はスターティンググリッドに整列します。
2. 全車両の整列が確認されると、赤信号が点灯します。この際、最後尾を誘導するマーシャルカーが信号を表示する場合もあります。
3. 数秒間の待機時間後、赤信号が消灯、または緑信号に切り替わることでスタートが宣言されます。
4. スタート宣言後、レースが開始されます。

赤信号点灯からスタート宣言までの時間は厳密に決められておらず、これは不正スタートを防ぎ、レースの安全性を確保するためです。不正スタートはペナルティの対象となります。

近年では、センサーによる自動検出システムが導入され、不正スタートの検出精度が向上しています。過去には審判の目視による確認のみだったため、後方グリッドでの不正スタートが見逃されることもありましたが、現在ではそのような事態は大幅に減少しています。スタート前に車両が動くと、不正スタートとみなされます。

スタート中断が発生した場合、フォーメーションラップをやり直し、再度スタート手順を踏みます。この追加されたフォーメーションラップはレース周回数に含まれるため、スタート中断回数に応じてレース周回数が調整されます。

ル・マン式スタート

ル・マン式スタートは、スタンディングスタートの一種です。ル・マン24時間レースで採用されているこの方式では、ドライバーはコースのイン側に停められた車両まで走り、スタートの合図とともに乗り込んでスタートします。これは、ドライバーの走力もレースの勝敗に影響を与える、独特のスタート方法です。

まとめ

スタンディングスタートは、陸上競技とモータースポーツで異なる方法で用いられていますが、いずれも競技の開始を告げる重要な手順です。陸上競技では個々の選手の安定した姿勢とスタートダッシュが、モータースポーツでは複数の車両の一斉スタートによる正確なタイミングと安全性が求められます。それぞれの競技特性に合わせたルールや手順が整備され、公平性と安全性を確保しながら行われています。

もう一度検索