スターク (フリゲート)

USS Stark（FFG-31）の概要と艦歴

USS Stark（FFG-31）はアメリカ海軍に属するミサイルフリゲートであり、オリバー・ハザード・ペリー級の23番艦です。その艦名は、第8代海軍作戦部長ハロルド・スターク提督に由来しています。この艦は、1978年にカリフォルニア州サンペドロの造船所で建造が開始され、1982年に正式に就役しました。

ミサイル攻撃の発生

スタークはイラン・イラク戦争中の1984年と1987年に中東に展開しましたが、特に注目されるのは1987年5月17日、イラク軍のミラージュF1による攻撃を受けた事件です。この攻撃において、スタークはエグゾセAM39空対艦ミサイルの直撃を受け、これは艦隊やアメリカ海軍の防衛能力に対する重要な問題を提起しました。

攻撃の時系列

攻撃が行われる前の時系列は以下のとおりです：

• - 20:00: ミラージュがシャイバを出撃しペルシャ湾を進む。
• - 20:43: 僚艦クーンツから、ミラージュの位置が報告される。
• - 20:58: スターク自身がミラージュをレーダーで捕捉。
• - 21:00: ミラージュが方針を変更したとの報告。
• - 21:03: ミラージュがスタークに向かっているとの情報が届く。
• - 21:06: スタークの電子戦装置がミラージュのレーダー信号を検知。
• - 21:09: AWACSがミラージュに対する警告を発するも応答なし。
• - 21:12: 1発目のAM39ミサイルがスタークに命中。

被弾後の対応と影響

一発目のミサイルは艦橋の近くに命中し、火災を引き起こしました。その後、約20秒後に2発目のミサイルが命中し、艦内で大規模な火災が発生しました。その結果、スタークは多くの人命を失うことになり、37名が死亡、21名が負傷しました。このような惨事の結果、艦の運用と防衛体制に多くの疑問が投げかけられることとなりました。

事後評価と教訓

スターク事件は、その英雄的行動が評価される一方で、アメリカ海軍の弱点も明らかにしました。具体的には、スタークは攻撃を受ける前に敵機を十分に監視していたものの反応を示さず、また、自衛のためのシステムを発動しなかったために被害が拡大しました。この出来事以降、アメリカ海軍は艦艇への改修を行い、特に波浪による電波の乱反射を防ぐための対策が講じられました。

事件後、スタークはバーレーンに到着し関係艦に修理を受けました。その後、大規模な修理により、1988年に再び艦隊に復帰しました。

スタークの退役とその後

スタークは1990年代も活動を続け、様々な任務に参加しましたが、1999年5月7日に退役し、その後フィラデルフィアでの保管を経て2005年にスクラップとして売却されました。

この事件はアメリカ海軍の現代史において重要な位置を占めるものであり、軍事戦略や対応策に多大な影響を与えました。特に、スターク事件から得られた教訓は、その後の海軍の運用および交戦規定の見直しに繋がりました。

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