スタージョン級原子力潜水艦

スタージョン級原子力潜水艦について

スタージョン級原子力潜水艦（Sturgeon class submarine）は、アメリカ海軍が運用した攻撃型の原子力潜水艦で、1960年代から1980年代にかけて、同艦はアメリカ海軍の主力艦として活躍しました。スタージョン級は基本計画番号がSCB 188AまたはSCB 188Mであり、計37隻が建造されたことが特徴です。

この艦は、前任のパーミット級潜水艦を基盤に開発され、より高い探知能力と静粛性を重視して設計されています。特に、スタージョン級の特徴として初めて採用された7翼のハイスキュード・プロペラが挙げられます。このプロペラは、潜水艦の速力を維持しながら、動作音を低減させるために工夫されたもので、敵の探知を困難にする役割を果たします。

艦の設計には、氷海での行動を考慮した強化されたセイル構造が含まれています。また、浮上時には深度管制がしやすくなるよう、セイルプレーンの装備位置が改善されています。これらデザインの改良は、おもに安全対策や居住性を向上させることを目的としていました。また、スタージョン級では船体が大型化した結果、水中抵抗が増え、速力はパーミット級の28ノットから25ノットに減少しました。

運用の過程で、スタージョン級はトマホーク巡航ミサイルやハープーン対艦ミサイルといった新しい兵器を搭載するようになりましたが、兵装の搭載可能量はあまり増えなかったため、搭載量の分配に苦心する場面もありました。冷戦後の解析では、設計寿命が当初の20年から30年に延長可能であることが示唆され、効率的な改装も検討されましたが、高額な原子炉の燃料交換が必要だったため、艦の寿命を待たずして退役が進みました。

スタージョン級の艦の中で、パーチー (SSN-683) は1979年に特殊任務艦に改造され、ソ連沿岸での情報収集任務に従事するようになりました。この改装では電子情報収集装置が増設され、1987年から1991年の間にはさらに艦体が延長され、最大で7,800トンまで排水量が増加しました。これは水中の行動能力を高めるための改装であり、特に無人遥操作車両（ROV）を収容できる区画が新たに設けられたため、大幅な運用能力の向上を図りました。

最後のスタージョン級艦であるパーチーは、2004年に退役し、これによりスタージョン級はアメリカ海軍の歴史から完全に姿を消しました。しかし、その設計思想や運用の経験は、後に続く攻撃型潜水艦の開発に影響を与えました。

スタージョン級は多くの技術的進歩を成し遂げ、アメリカ海軍の潜水戦力に貢献した艦であると言えます。次世代潜水艦の設計においても、このクラスの艦がもたらした知見が活かされています。

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