スター・トレック (2009年の映画)

映画『スター・トレック』の概要

『スター・トレック』（原題: Star Trek）は2009年に公開されたアメリカ製のSFアクション映画で、監督はJ・J・エイブラムス、脚本はロベルト・オーチーとアレックス・カーツマンによって制作されました。この作品は、映画「スター・トレック」シリーズの第11作目にあたり、オリジナルのテレビシリーズ『宇宙大作戦』のキャラクターたちを新しいキャストで描いたリブート映画の第一弾です。

映画は2009年5月8日にアメリカで公開され、高評価を得るとともに興行的にも成功を収めました。製作費1億5,000万ドルに対し、全世界で3億8,570万ドル以上の収入を記録し、第82回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、メイクアップ賞を受賞するという快挙を成し遂げました。この出来事は、『スター・トレック』作品として初のアカデミー賞受賞となりました。続編としては2013年に『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、2016年に『スター・トレック BEYOND』が公開されています。

ストーリー

物語は、謎の巨大宇宙艦ナラーダ号の攻撃によってカーク（演：クリス・パイン）が母体から誕生し、父親を失うところから始まります。成長後、カークは荒れた生活を送っていましたが、宇宙艦隊のパイク大佐（演：ブルース・グリーンウッド）と出会い、父親の英雄的行動について知らされます。その後、彼は宇宙艦隊アカデミーに入学することになります。

しかし、在学中にカークは演習での不正行為が発覚し、聴聞会に出頭させられることに。そんな中、バルカン星からの緊急救助要請が届き、カークは艦隊に召集されるものの、謹慎処分にされてしまいます。巧妙にも友人のマッコイの助けを借り、エンタープライズ号に密航し、そこで同級生のスポック（演：ザカリー・クイント）や他の仲間たちと再会します。

ナラーダ号の登場により、彼ら艦隊は壊滅的なダメージを受け、パイク船長が囚われる事態に直面します。カークはスポックと激しく意見を対立し、最終的に自らが指揮官となることを余儀なくされます。老スポック（演：レナード・ニモイ）と出会ったカークは、スポックと共同してナラーダ号に潜入し、地球を守るための戦いを繰り広げます。

キャストと登場人物

本作の主人公、カークを演じるクリス・パインの他にも、スポック役のザカリー・クイント、パイク船長役のブルース・グリーンウッド、友人のマッコイ役のカール・アーバン、通信士官のウフーラ役のゾーイ・サルダナらが出演しています。彼らは宇宙艦隊で成長し、友情や葛藤を乗り越えていく姿が描かれています。

特に老スポックは、未来からの介入者としてカークに影響を与え、彼が成長するための鍵となる役割を果たします。カークの父、ジョージ・カーク（演：クリス・ヘムズワース）や母、ウィノナ・カーク（演：ジェニファー・モリソン）も物語の重要な要素となっています。

技術と評価

本作はその視覚効果や音響デザインにおいても高い評価を得ており、VFXチームにはILMなどが参加しています。更に、タイムトラベルというテーマを通じて、従来の『スター・トレック』の変更が加えられ、パラレルワールドという新たな展開へと挑戦しています。

『スター・トレック』は、これまでのシリーズの愛好者だけでなく新しい観客層にも楽しませる作品として、リブートに成功しました。このように、映画は単なるアクションだけでなく、友情や人間関係の深さも描いており、エンターテイメントとして多くの人々に影響を与えています。

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