スティーブ・チルコット

スティーブン・リン・チルコットの経歴

スティーブン・リン・チルコット（1948年9月23日生まれ）は、カリフォルニア州ランカスター出身の元プロ野球選手で、ポジションは捕手です。彼は右投左打で、1966年のメジャーリーグドラフトでニューヨーク・メッツから全体1位で指名を受けましたが、メジャーリーグでのプレーは実現しないまま現役を引退しました。

プロ入り以前の頃

チルコットは、アンテロープバレー高校でその才能を発揮しました。高校時代には、打撃力のある左打者として名を馳せ、強肩の捕手としても評価されていました。その成績をもとに、彼は強豪アメリカンフットボールチームのスタークオーターバックとしても活躍し、チャンピオンシップへの導き手となりました。

メッツ傘下時代

1966年、チルコットはメッツから全体1位でドラフト指名を受け、プロの道を歩み始めます。驚くべきことに、同じ年の全体2位で指名された選手は後に殿堂入りするレジー・ジャクソンでした。1967年には、18歳という若さでアフリカを代表するA+級チーム「ウィンターヘイブン・メッツ」に昇格。ここで79試合に出場し、打率.290、6本塁打を記録しました。しかし、7月23日の試合で起こった牽制での事故で肩を脱臼し、シーズンを終えることになります。

この怪我からは慢性的な肩の問題が続き、さらにはファウルチップによる指の骨折や、走行中にスプリンクラーに足を取られて膝を骨折する事故など、怪我に苦しむ日々が続きました。その結果、1968年はわずか19試合、1969年には7試合の出場にとどまりました。後に彼は、当時のスポーツ医学の未熟さを語り、リハビリ方法についての限界を感じていました。

1970年にはAAA級で22試合を含め78試合に出場し、その翌年1971年にはA級カリフォルニアリーグでのプレーで打率.260、17本塁打を記録し、少しずつ復調していきましたが、オフに自由契約となりチームを去ることになりました。

ヤンキース傘下時代

1972年、チルコットはニューヨーク・ヤンキースと契約しました。しかし、この年はA級で6試合、AA級で18試合と、出場機会は限られ、この年限りで自由契約となります。その後24歳で彼は現役を引退しました。2020年の時点では、ドラフト全体1位指名を受けた選手の中で、メジャーでのプレーなく引退したのはチルコットと1991年ドラフト全体1位のブリエン・テイラーのみとなっています。

引退後の彼の生活

引退後、チルコットはサンタバーバラ・シティ・カレッジに入学します。在学中にはパートタイムで、卒業後はフルタイムの消防士として勤務しました。1970年代半ばまでサンタバーバラ消防署で働き、その後フルタイムの建設請負業者としても活動を開始しました。カリフォルニア州やアリゾナ州で家の建設やリフォームを行いつつ、自身の経験を生かしてリトルリーグのコーチを務めるなど、地域貢献にも力を入れています。

まとめ

スティーブン・リン・チルコットのキャリアは、期待されながらも怪我に悩まされるものでした。メジャーリーグでの出場がなかった彼ですが、その後の人生においても多様な経験を積んでおり、彼のストーリーは、多くの人々に勇気を与えることでしょう。

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