スティーブ・ブラス

スティーブン・ロバート・ブラスのプロフィール

スティーブン・ロバート・ブラス（Stephen Robert Blass）は、1942年4月18日生まれの元プロ野球選手であり、主に投手として活躍しました。出身はアメリカ合衆国コネチカット州キャナーンで、右投げ右打ちの選手です。特にピッツバーグ・パイレーツに在籍し、エースピッチャーとして多くの成功を収めましたが、晩年にはイップスに悩まされたことで知られています。

経歴

パイレーツ時代

1960年、ブラスはアマチュアフリーエージェントとしてピッツバーグ・パイレーツに加わり、1964年にはメジャーデビューを果たしました。この年には、先発と中継ぎで24試合に登板し、その後1966年にメジャーに再昇格すると、先発ローテーションの一員として活躍を始めます。1968年から1972年の5年間にわたっては毎年2桁勝利を挙げ、特に1968年には18勝6敗の成績で最多勝率を記録しました。また、1971年のワールドシリーズでは2試合に先発し、両試合ともに完投勝利を収めるなど、チームの世界一に貢献し、名実ともにパイレーツのエースとされました。

イップスと現役引退

しかし、1973年になると状況は一変しました。突然、制球難に悩まされることになり、シーズンでは23試合に登板しながらも3勝9敗、防御率9.85と芳しくない成績に終わりました。特に、88.2イニングを投げる中で96の与四死球という極度の制球難が問題となり、翌1974年にはさらに状況が悪化。メジャーではロングリリーフでのたった1試合の登板に留まり、AAA級チームでも散々な成績を残し、同年に現役を引退することとなりました。

引退後、彼の苦難の物語はスポーツライター・ロジャー・エンジェルによってエッセイとして描かれ、雑誌『ザ・ニューヨーカー』に取り上げられることになりました。この現象は「スティーブ・ブラス病」と称され、後に「イップス」として広く知られるようになりました。ブラスのイップスについては様々な憶測が飛び交いましたが、特にロベルト・クレメンテの悲劇的な死が影響を与えたのではないかとも言われていますが、後にこれが否定されています。

詳細情報

年度別投手成績

ブラスはそのキャリアを通じて数々の記録を残しました。1972年にはMLBオールスターゲームに選出されるなどの栄光もありました。

主な記録

• - 開幕投手：3回（1969年、1970年、1973年）
• - MLBオールスターゲーム選出：1回（1972年）
• - 背番号：23（1964年）、28（1966年 - 1974年）

スティーブン・ロバート・ブラスは、そのメジャーリーグでの成績とエースとしての地位に加え、苦しい晩年のエピソードによっても、多くの野球ファンに記憶され続けている選手です。

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