スティールガンナー

スティールガンナー (Steel Gunner)

『スティールガンナー』は、1991年にナムコがアーケードゲーム市場に投入した、マシンガンタイプのガンシューティングゲームです。本作は、同社にとってアーケードにおけるガンシューティングジャンルへの初参入作品であり、その後の作品群に大きな影響を与えました。開発およびロケテストは1990年に行われており、ゲームのタイトル画面には「Copyright 1990」と表示されています。技術的には、当時としては珍しいSYSTEM II基板を2枚使用して制作されました。

翌年の1992年には、敵キャラクターを生体メカへと変更するなど、世界観をさらに広げた続編『スティールガンナー2』が登場しましたが、これら二作品はどちらも家庭用ゲーム機への移植版はリリースされていません。

概要

ゲームの舞台は近未来。プレイヤーは警察特殊部隊の隊員となり、1P側はガルシア、2P側はクリフを操作します。主人公たちは、強力な高機動型パワードスーツ「ガーゴイル」を装着し、悪名高いテロリスト集団「シュツルム」によって誘拐されたライアン教授と助手エリスの救出任務に挑むというストーリー設定です。SFの要素を多分に取り入れた独特な世界観と、拡大・縮小機能を最大限に活用したスピーディーなゲーム展開が特徴でした。画面内に存在するほぼ全てのオブジェクトを破壊できる爽快でド派手な演出も、多くのプレイヤーから支持を集める要因となりました。

本作は専用の特殊筐体を採用しており、プレイヤーが据え付けの銃座に取り付けられたコントローラーのトリガーを引くと、モデルガンの銃口部分が実際に音を立てながらピストン運動を行うというギミックが搭載されていました。この仕掛けが、ゲームプレイの臨場感と迫力を一層高めていました。

ゲームシステム

専用の大型筐体を用いたガンシューティング形式で進行します。可動式の台座に固定されたモデルガン型コントローラーの銃口を動かして照準を操作し、トリガーを引くことでマシンガンを連続発射します。また、銃口の左側にあるボタンを押すと、画面全体を攻撃する高破壊力のミサイルを発射できますが、ミサイルの使用回数には限りがあります。最大2人までの同時協力プレイが可能です。

ゲームは全4ステージで構成され、時間制限はなく、プレイヤーの耐久力はエネルギー制で管理されます。敵の攻撃を受けるか、誤って一般市民を撃ってしまうとエネルギーが減少します。エネルギーがゼロになるとゲームオーバーとなります。ステージクリア時や、一般市民を無事に画面外まで誘導できた際には、エネルギーが回復する仕組みになっています。ステージ内の地形オブジェクトは破壊することが可能で、これを利用して敵を巻き込むこともできます。しかし、必要以上に地形物を破壊しすぎると警察への苦情が増え、ステージクリア時のライフ回復量が減少するというペナルティが発生します。逆に、無駄弾を抑え、敵への命中率を高めることで、ステージクリア時のライフ回復量を増やすことができ、高スコアを目指す上でも命中率の高さが重要な要素となります。

評価

『スティールガンナー』は、当時のゲームメディアからも高く評価されました。ゲーム雑誌『ゲーメスト』誌上で実施された「第5回ゲーメスト大賞」（1991年度）の読者投票では、大賞9位に選出されました。さらに、ベストシューティング部門で10位、ベスト演出部門で6位、年間ヒットゲーム部門で31位を獲得しています。

1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、本作がその後のガンシューティングゲームの演出面に与えた影響が指摘されています。特に、「ゲームに密着して進行するストーリーと深い世界観は、多くのファンを獲得すると同時に、その後のガンシューティングの演出面に大きな影響を与えた」と評価されています。最終面である4面についても、「テロリストが完成させた巨大2足歩行兵器との市街戦がメインとなるが、市街地を蹂躙する巨大兵器の演出が素晴らしく、映画さながらの臨場感を味わわせてくれる」とその迫力ある演出が絶賛されています。難易度に関しても、「マニアを唸らせた」とされ、特に1コインクリアの難しさが言及されています。スコアアタックにおいては、命中率が重視されるため、プレイヤーはマシンガンを単発で慎重に撃ち、敵の出現パターンを記憶して精度を高めることが求められました。このように、その高い難易度もまた、プレイヤーを熱中させ、人気を集めた肯定的な要素であったと評価されています。

スティールガンナー

スティールガンナー (Steel Gunner)

概要

ゲームシステム

評価

関連項目