スティーヴ・フェローン

スティーヴ・フェローン：多様な才能を持つ名ドラマー

スティーヴ・フェローン（Steve Ferrone、1950年4月25日生まれ）は、イギリス出身のドラマーであり、その卓越した技術と幅広い音楽性で、長年にわたり音楽業界で活躍しています。特に、1994年から2017年までロックバンド、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのドラマーとして、オリジナルメンバーのスタン・リンチの後任を務めたことで広く知られています。

多彩なキャリア

フェローニの音楽キャリアは多岐にわたり、アヴェレイジ・ホワイト・バンドの「クラシック・ラインナップ」の一員としても名を連ねています。彼は、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、デュラン・デュラン、スティーヴィー・ニックス、ラウラ・パウジーニ、クリスティン・マクヴィー、リック・ジェームス、スラッシュ、チャカ・カーン、ビージーズ、スクリッティ・ポリッティ、エアロスミス、アル・ジャロウ、ジョニー・キャッシュなど、数えきれないほどの著名なアーティストのレコーディングやライブ演奏に参加してきました。その幅広い音楽性は、ロック、ポップ、R&B、ジャズなど、ジャンルを超えて高く評価されています。

ハードな下積み時代

1970年代、フェローンはブラッドストーンというバンドに参加し、1975年のアルバム『Riddle Of The Sphinx』に参加。その後、ブライアン・オーガーのバンド、オブリヴィオン・エクスプレスで演奏するようになりました。アヴェレイジ・ホワイト・バンドには、ドラマーのロビー・マッキントッシュの死後、その後任として加入。1982年のバンド解散までの8年間、数々のヒットアルバムをレコーディングし、コンサートツアーで演奏しました。

セッションドラマーとしての活躍

フェローンは、セッションドラマーとしても非常に高い評価を得ており、数多くのアーティストのアルバムに参加しています。デュラン・デュランのアルバム『ノトーリアス』や『デュラン・デュラン（ザ・ウェディング・アルバム）』などへの参加は、彼の才能を証明する一例です。また、1986年から1992年までエリック・クラプトンとツアーおよびレコーディングを行ったことも、彼のキャリアにおける重要なハイライトと言えるでしょう。

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズへの加入

フェローニは、ロイヤル・アルバート・ホールでのジョージ・ハリスンの公演に参加した際に、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのギタリスト、マイク・キャンベルと出会いました。その後、1994年にオリジナルドラマーのスタン・リンチが脱退した後、フェローニはバンドの正式なドラマーとして迎えられました。彼が参加して最初にリリースされたアルバムは、1994年のトム・ペティのソロアルバム『ワイルドフラワーズ』でした。

フェローニは、ハートブレイカーズでの活動を非常に楽しんでおり、「誰もが音楽生活の中で『ザ・ハートブレイカーズ』のような経験をするべきだ」と語っています。彼らにとって、創造性、情熱、誠実さ、真面目さ、そして何よりも音楽を楽しむことが大切だったのでしょう。

近年の活動

近年では、自身のソロアルバムの制作や、他のアーティストとのコラボレーションなど、精力的に活動を続けています。また、シリウスXMの「トム・ペティ・ラジオ」でラジオ番組「The New Guy」のホストを務めるなど、多方面で活躍しています。

スティーヴ・フェローニは、その卓越したドラムテクニックと音楽に対する深い理解、そして何よりも音楽を楽しむ姿勢で、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

ディスコグラフィー(一部抜粋)

アヴェレイジ・ホワイト・バンド
『カット・ザ・ケイク』 - Cut The Cake (1975年)
『ソウル・サーチング』 - Soul Searching (1976年)
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
『ワイルドフラワーズ』 - Wildflowers (1994年) ※トム・ペティ名義
『エコー』 - Echo (1999年)
デュラン・デュラン
『ノトーリアス』 - Notorious (1986年)
* 『ザ・ウェディング・アルバム』 - The Wedding Album (1993年)

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