リック・ジェームス

リック・ジェームス（Rick James, 1948年2月1日 - 2004年8月6日）は、アメリカ合衆国出身のファンクミュージシャンであり、ベーシスト、作曲家、音楽プロデューサーとしても多才な才能を発揮しました。本名はジェームス・アンブローズ・ジョンソン・ジュニア（James Ambrose Johnson Jr.）です。1980年代のソウル、ファンクシーンにおいて、プリンスやロジャーといった先駆者たちと並び、重要な役割を果たしました。

生い立ちと音楽活動の初期

ニューヨーク州バッファローのスラム街で生まれたリック・ジェームスは、15歳で海兵隊に入隊するもすぐに脱走し、カナダへと逃れました。その後、ゲットーを彷徨う中で、ニール・ヤングが在籍していたマイナー・バーズというバンドに参加しますが、20代の頃は目立った成功を収めることはできませんでした。

モータウンでの成功とスターダム

1978年、リック・ジェームスはモータウン・レコードから「ユー・アンド・アイ」を発表し、初のヒットを記録しました。1981年には、アルバム『Street Songs』をリリースし、その中に収録された「スーパー・フリーク」は、M.C.ハマーの「U Can't Touch This」のサンプリング元として、ファンククラシックとして知られています。このアルバムの成功により、彼は一躍スターダムへと駆け上がりました。

プロデュース業とスキャンダル

リック・ジェームスは、自身の音楽活動だけでなく、プロデュース業でも才能を発揮し、ティーナ・マリー、メリー・ジェーン・ガールズ、ヴァル・ヤング、プロセス＆ドゥー・ラグズなど、数多くのアーティストを育成しました。また、俳優のエディ・マーフィに提供した「パーティー・オール・ザ・タイム」も大ヒットを記録しました。

しかし、1980年代から、ラジオDJにマリファナを配るなど、その型破りな行動が注目を集めていました。1990年代に入ると、ドラッグに関するスキャンダルが頻発し、1993年には5年間で週7000ドル相当のドラッグを使用していたことを告白。その結果、刑務所に収監され、民事訴訟で200万ドルの支払いを命じられるなど、私生活は荒れていきました。1997年には、ツアー中に脳卒中に見舞われるという不幸にも見舞われました。

死去

2004年8月6日、リック・ジェームスはロサンゼルスの自宅で、呼吸不全による心不全のため亡くなっているのが発見されました。糖尿病をはじめとする様々な病気を患い、健康状態は極度に悪化していたとされています。彼の血液からは、コカインや睡眠薬など9種類もの薬物が検出されました。56歳という若さでの死でした。遺体は、彼の故郷であるバッファローのフォレストローン墓地に埋葬されました。

ディスコグラフィ

Come Get It! (1978年)
Bustin' Out of L Seven (1979年)
Fire It Up (1979年)
Garden of Love (1980年)
Street Songs (1981年)
Throwin' Down (1982年)
Cold Blooded (1983年)
Reflections (1984年)
Glow (1985年)
The Flag (1986年)
Wonderful (1988年)
Urban Rapsody (1997年)
Deeper Still (2007年)

楽曲提供

I'm A Sucker of Your Love - [ティーナ・マリー]
de ja vu - [ティーナ・マリー]
In My House - メリージェーン・ガールズ(1985)
Party All The Time - [エディ・マーフィ]
U Can't Touch This ‐ MCハマー(1990)「Super Freak」のサンプリング

外部リンク

リック・ジェームスオフィシャルサイト（英語のみ）

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