スティーヴ・マックイーン (アルバム)

『スティーヴ・マックイーン』は、イギリスのバンド、プリファブ・スプラウトが1985年6月に発表したセカンドアルバムです。プロデュースは、シンセサイザー奏者としても知られるトーマス・ドルビーが担当しました。このアルバムは、バンドの音楽性をさらに深め、洗練させた作品として評価されています。

アルバムタイトルは、当初アメリカでの発売時、同名の映画俳優スティーヴ・マックイーンとの法的な問題から『Two Wheels Good』に変更されました。しかし、現在ではオリジナルタイトルである『Steve McQueen』に戻され、世界中で共通のタイトルで販売されています。

音楽的な特徴としては、パディ・マクアルーンの独特なボーカルと、洗練されたメロディラインが挙げられます。また、トーマス・ドルビーによるシンセサイザーのサウンドが、楽曲に独特の奥行きと彩りを加えています。特に「When Love Breaks Down」は、イギリス盤とアメリカ盤でボーカルトラックが異なるなど、いくつかのバージョンが存在することで知られています。アメリカ盤では、曲の終わりが若干早くなっているといった違いもあります。

収録曲の中には、「Faron Young」という楽曲がありますが、アメリカ盤の『Two Wheels Good』では、カントリーシンガーと同名であることを避けるため「Faron」というタイトルに変更されています。こうした細かな変更も、当時の音楽業界の状況を反映していると言えるでしょう。

アルバムの参加メンバーは、以下の通りです。

パディ・マクアルーン (Paddy McAloon): ボーカル、ギター
マーティン・マクアルーン (Martin McAloon): ベース
ウェンディ・スミス (Wendy Smith): ボーカル、ギター、キーボード
ニール・コンティ (Neil Conti): ドラムス

アルバムジャケットは、East Orangeがデザインを担当しています。

『スティーヴ・マックイーン』は、全英チャートで最高21位、アメリカのビルボードチャートでは178位を記録しました。2007年4月には、デジタルリマスターバージョンとパディ・マクアルーンによる2006年版アコースティックバージョンをセットにした「Legacy edition」がリリースされ、再び注目を集めました。この「Legacy edition」は、オリジナルアルバムの魅力をさらに引き出すものとして、多くのファンに支持されています。

関連アーティストとしては、プリファブ・スプラウトやトーマス・ドルビーが挙げられます。また、プリファブ・スプラウトの作品全体を通して聴いてみるのもおすすめです。彼らの音楽的な変遷や、各アルバムの特色をより深く理解することができるでしょう。

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