ステファン・ロシュ

ステファン・ロシュ（Stephen Roche、1959年11月28日 - ）は、アイルランド出身の元自転車ロードレース選手です。アイルランドでは英語読みで「スティーヴン・ロウチ」と呼ばれることもあります。

彼は、1987年に第74回ツール・ド・フランス、第70回ジロ・デ・イタリアで総合優勝を果たし、さらに同年の世界選手権ロードレースも制覇するという、偉業を達成しました。これは、ダブルツールを越えた「トリプルクラウン」と呼ばれ、自転車競技の歴史に名を刻む記録となりました。

経歴

アイルランドでアマチュア選手としてキャリアをスタートさせたロシュは、1979年にフランスに渡り、アマチュア版パリ〜ルーベで優勝するなどして実力を磨きました。この大会で優勝できなければアイルランドに帰国する予定だったそうです。

1980年のモスクワオリンピックでは期待されたほどの成績を収めることはできませんでしたが、1981年にそれまでの実績が認められプロに転向。プロ初年度に10勝を挙げ、1983年にはロードレース世界選手権で3位入賞を果たしました。

1986年にレース中の事故で膝を負傷しましたが、翌1987年には、1974年のエディ・メルクス以来13年ぶり、史上2人目となるトリプルクラウンを達成。2024年にタデイ・ポガチャルが3人目の達成者となるまで、37年間もトリプルクラウンを達成した者はいませんでした。しかし、その後は膝の慢性的な痛みに悩まされ、徐々に成績は下降線を辿りました。

1991年には、チームタイムトライアルのスタート地点に現れず、チームはロシュを置いてスタート。8分遅れでスタートしたものの、一人では遅れを取り戻せず、結局タイムアウトとなってしまいました。ロシュは、周囲にスタッフがいたにもかかわらず、チームが自分を探そうとしなかったことに怒り、1年でチームを去ることになりました。

1993年に現役を引退後は、スポーツ解説者などとして活躍しています。家族（妻と息子）と共にパリに在住。2009年には、離婚した前妻との間に生まれた息子の一人、ニコラス・ロッシュ（フランス語読みではニコラ・ロッシュ）が、アイルランド選手権で優勝し、ナショナルチャンピオンジャージを着てアージェードゥーゼルからツール・ド・フランスに初出場を果たしました。

関連項目

ジロ・デ・イタリア 1987
ツール・ド・フランス1987
世界選手権自転車競技大会ロードレース1987

外部リンク

ステファン・ロシュ - サイクリングアーカイヴス（英語）
* ステファン・ロシュ - Olympedia（英語）

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