ツール・ド・フランス1987

ツール・ド・フランス1987：激闘とドラマの舞台

1987年のツール・ド・フランスは、第74回目の開催として、7月1日から7月26日まで全25ステージにわたって繰り広げられました。ベルナール・イノーの引退、そして前年覇者グレッグ・レモンの事故による欠場という状況下で、本命不在の大混戦が予想された大会でした。

大会のみどころ

ローラン・フィニョンが中心と目され、レモンの代役としてジャンフランソワ・ベルナールにも期待が寄せられました。しかし、ジロ・デ・イタリアを制したステファン・ロッシュを推す声も多く、予想通りマイヨ・ジョーヌがめまぐるしく入れ替わる、最後まで混沌とした展開となりました。ラルプ・デュエズに加え、モン・ヴァントゥもコースに組み込まれ、例年以上に過酷な大会となりました。

大会の展開

第2ステージのチームタイムトライアルで、早くもロッシュ擁するカレラチームが首位に立ちましたが、フィニョン擁するシステムUは大きく遅れました。第10ステージの個人タイムトライアルではロッシュが勝利するも、マイヨはフィニョンのチームメイトであるシャーリー・モテに移動。しかし、モテは第11ステージでマイヨを失い、その後再び奪還するなど、激しい首位争いが繰り広げられました。

ピレネーステージでは、モテがマイヨを保持するも、ベルナール、ロッシュが僅差で追走。第15ステージでは、上位陣が翻弄される中、モテがベルナール、ロッシュに対し差を広げました。アルプスステージに入ると、レジ・クレールがアタックを決め、モテは苦戦を強いられ、ベルナール、ロッシュらに差を詰められました。

第18ステージの個人タイムトライアルでは、ベルナールがモン・ヴァントゥで圧倒的な走りを見せ、マイヨを獲得。しかし、その後の第19ステージで失速し、ロッシュがマイヨを奪還。第20ステージのラルプ・デュエズでは、デルガドがマイヨを獲得し、ロッシュが25秒差で追う展開となりました。その後も激しい争いが繰り広げられ、最終第24ステージの個人タイムトライアルで、ロッシュがデルガドを逆転し、総合優勝を手にしました。

大会の結果

ステファン・ロッシュは、このツール・ド・フランスで総合優勝を果たし、その年の世界自転車選手権個人ロードも制覇。エディ・メルクス以来、史上2人目のトリプルクラウンを達成しました。長く、厳しい戦いが繰り広げられた1987年のツール・ド・フランスは、数々のドラマと感動を生み、自転車史にその名を刻みました。

各区間の優勝者と総合首位者
総合順位
各部門賞結果

外部リンク

第74回 ツール・ド・フランス 1987（フランス語）

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