ステンレス精密圧延品

ステンレス精密圧延品とは

ステンレス精密圧延品（ステンレスせいみつあつえんひん）は、主に板厚が1mm未満のステンレス鋼を指します。この製品は、鋼板の中でも特に薄く、国内の統計においても鋼板はその厚さに応じて分類されます。一般的に、3mm未満は薄板、3mm以上は中板、6mm以上は厚板とされます。さらに薄板の中でも1mm未満のものは、「精密圧延品」「薄手」「極薄品」「磨帯鋼」などの名称で呼ばれます。0.3mm未満の板厚を持つ場合には、特に「箔」と名付けられることがあります。

製品の呼称と分類

ステンレス鋼の場合、1mm未満の鋼板は比較的「ステンレス精密圧延品」または「ステンレス箔」として言及されることが多いですが、他の呼称として「ステンレス薄手」「ステンレス極薄品」「ステンレス磨帯鋼」「ステンレスみがき帯鋼」なども認識されております。また、特殊鋼や普通鋼の薄板に関しては「磨帯鋼」や「特殊みがき帯鋼」といった呼称が一般的に用いられます。

製造プロセス

このステンレス精密圧延品の製造工程は、日鉄ステンレスや日本冶金工業などの大手製鋼メーカーが主に行っている一方、専業メーカーと呼ばれるリローラーも存在します。リローラーとは、ステンレス鋼板や他の金属を扱い、複数回の冷間圧延や焼鈍、調質圧延を繰り返して製品を製造する企業のことです。特に、0.3mm未満のステンレス箔を得意とするメーカーの中には、銅などの非鉄金属の圧延を行う会社もあります。

主要メーカー

ステンレス精密圧延品を製造する主なメーカーには、次のような製鋼一貫メーカーや専業メーカーがあります。製鋼一貫メーカーとしては、日鉄ステンレス（山口製造所、衣浦製造所）、台湾日新結進精密ステンレス、日本製鉄の東日本製鉄所直江津地区、日鉄ケミカル＆マテリアル、大同特殊鋼などが挙げられます。また、リローラーとして日本金属、ナス鋼帯、開進工業、明道メタル、JX金属、特殊金属エクセル、日立金属ネオマテリアル（旧東洋製箔）が活動しています。

主要製品と用途

この精密圧延品の用途はさまざまで、特に自動車業界での需要が高いです。自動車エンジンガスケット用のステンレス鋼板や、精密加工に適したステンレス鋼板が利用されています。また、ばねや皿バネ、シムといった精密機械の部品にも幅広く採用されています。さらに、ディスクブレーキのキャリパー用シムとしても重要な役割を果たしています。

その他、精密な板厚や加工が求められる用途にも対応できるため、ステンレス精密圧延品は様々な産業で必要不可欠な部材として使用されているのです。

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