ステープラー

ステープラーの概要

ステープラーは、英語で「stapler」と呼ばれ、「ホチキス」や「紙綴器」とも称される文房具です。この器具は「コ」の字形の針（ステープル）を用いて、複数の紙を一緒に綴じる役割を果たします。日本ではJIS規格において「ステープラ」という名称が用いられており、地域によっては「ジョイント」や「ガッチャンコ」とも呼ばれることがあります。ステープラーは、木材や陶器を接合するために用いられる鎹（かすがい）の進化としても理解されています。日本でのステープラーの多数を占める製品は、マックス株式会社のものです。

歴史

ステープラーの原型は、18世紀のフランスにまで遡ります。19世紀に入ると、紙の使用量が急増し、それに伴いステープラーの開発が進められました。その中で、1850年代にはハトメを用いた紙綴器がハイマン・リップマンにより開発され、その後、ジョージ・マギルが割りピンに似た針の特許を取得しました。

1877年には針刺しと折曲げを一度の作業で行えるステープラーが発明され、以降も数多くの特許が取り出されました。1940年代には事前に成形された針を多数内蔵するタイプの製品が普及し、現在のステープラーの形態が確立しました。

名称の由来

日本では、「ホッチキス」という呼称が一般的ですが、これは1903年に伊藤喜商店がアメリカから輸入したモデルに由来します。このモデルのメーカーであるE.H.ホッチキス社の名にちなんで名付けられたのです。また、ホッチキスという名称には、創業者の家族にまつわる語源や俗説が存在しますが、文献による裏付けはありません。

韓国でも、「ホチキス」という名称が使われており、日本統治時代の影響が見られます。韓国でも、ホッチキスがベンジャミン・ホッチキスによってデザインされた鎹の一種であるという伝説があったものの、実際には証拠がなく、国立国語院の調査によりこれが確認されました。

種類と機能

ステープラーはその針の大きさによって小型、中型、大型の3つに分類されます。小型のものは約20枚の紙を綴じることができ、大型のものは最大250枚程度まで綴じられます。

特に小型ステープラーは「ホッチキス」として広く認識されており、中型や大型には特定の規格が設けられています。また、特殊用途向けのステープラーも存在し、例えば、壁に針を打つための「タッカー」や、中綴じ用のもの、オートステープラーなど多様なデザインがあることが特徴です。

商標について

「ホッチキス」という商標は、伊藤喜商店が開発者の名から取ったもので、以降日本国内で広く流通しています。なお、現代でもマックス社以外に多くの製造メーカーが存在し、その競争も活発です。国内主要製造メーカーには、コクヨ、プラス、ナカバヤシ、ライオン事務器、ソニックなどがあります。

針の種類と特性

ステープラーの針には、スチール、ステンレス、アルミなどさまざまな素材が使用されており、特にステンレス製のものは錆に強い特性を持っています。そのため、紙の再利用においても、針が古紙の再生過程で問題になることは少なく、「ホッチキス針は古紙再生工程で支障ありません」と記載されていることが多いです。

針なしステープラー

針なしステープラーも20世紀初頭からあった概念ですが、コクヨが2009年に改良版を発表し、広く普及するきっかけとなりました。この針なしステープラーは、環境への配慮や手軽さから高い人気を誇っています。

結論

ステープラーは、書類を効率的にまとめるために不可欠な文房具であり、その歴史や背景を知ることで、より理解が深まります。種類も多様で、用途に向けた製品も豊富に揃っているため、シーンに応じた選択が可能です。

もう一度検索