ストックホルム宮殿

ストックホルム宮殿：スウェーデンの王宮

ストックホルム宮殿は、スウェーデン国王の公邸として知られ、首都ストックホルムの旧市街、ガムラスタンのスターズホルメン島に位置しています。近隣には国会議事堂もあり、政治的にも重要な場所です。国王一家の私邸であるドロットニングホルム宮殿とは異なり、ストックホルム宮殿は、カール16世グスタフ国王の執務室や、王室の事務機関が置かれる、公的な空間としての役割を担っています。また、国家元首としての国王が、国を代表する行事を行う際にも使用されます。

歴史

ストックホルム宮殿の起源は13世紀に遡ります。メーラレン湖の防衛のためにビルイェル・ヤールによって建設された要塞が、その始まりでした。この要塞は時を経て宮殿へと発展し、中心となる塔の尖塔にちなんで「トレー・クローノル城（3つの王冠）」と呼ばれるようになりました。16世紀後半には、ヨハン3世によってルネサンス様式の宮殿へと大規模な改築が行われました。さらに1690年、小ニコデムス・テッシンの設計により、バロック様式の宮殿への再建が決定されました。しかし、1697年に発生した火災により、宮殿の大部分が崩壊するという悲劇に見舞われました。

その後、小ニコデムス・テッシンによって再建が進められ、1734年には西側の中庭を取り囲む半月形のウイングが完成。1740年代には宮殿内の教会が、1754年には外装が完成しました。国王一家は、完成した南西、南東、北東ウイングへと移り住み、1760年には北西ウイングも完成しました。1824年から1830年にかけては、北側のレヨンバッケン（ライオン坂）が建設されました。この坂の名前は、そこに鎮座するライオンの彫刻に由来しています。

現在の宮殿

現在のストックホルム宮殿は、煉瓦造りの壮麗な建築物です。西、南、東のファサードの中間部は砂岩で覆われており、優美な外観を呈しています。屋根は銅で覆われ、宮殿の外周は石製の欄干で囲まれています。宮殿内には609室もの部屋があり、現在も本来の用途で使用されている宮殿としては、世界最大級の規模を誇ります。宮殿は西、南、東、北の4棟で構成され、それぞれが国家、国王、女王、その他の王室の人々を象徴しています。これらの4棟が中庭を囲むように配置されています。

宮殿の四隅からは、西側と東側へウイングが張り出しています。南西ウイングを除き、全てのウイングは長さ48m、幅16mです。南西ウイングは、外庭を取り囲む2つの半月形ウイングがあるため、例外的な形状となっています。南東ウイングと北東ウイングの間には、「大山猫の庭（Logården）」と呼ばれる小さな外庭があります。

宮殿内部

宮殿内部は、豪華な装飾が施された数々の部屋で構成されています。西棟には、ベルナドッテ・アパートメントや騎士の間があり、3階には来客用アパートメントや儀典用広間があります。東棟には、スウェーデン最古の博物館である王室武器庫があり、旧い兵器や軍服、王室の宝石などが収蔵されています。北棟には、国王と王妃のスイートや、ボールルーム「白い海（Vita Havet）」を含む儀典用広間があります。また、カール11世ギャラリーは、晩餐会などの際に使用される主バンケットルームとなっています。南棟には、リクスサーレンや宮殿内教会があり、地下には宝物庫があります。北東ウイングには、グスタフ3世のアンティーク博物館があり、イタリアで発見された古代の彫刻などが展示されています。

ストックホルム宮殿は、スウェーデンの歴史と文化を伝える重要な場所であり、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

ストックホルム宮殿公式サイト：https://www.kungligaslotten.se/vara-besoksmal/stockholms-slott.html

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