ストラヴィンスキー (競走馬)

ストラヴィンスキー：輝ける競走馬から、偉大な種牡馬へ

アメリカ合衆国で生まれ、アイルランドでその才能を磨かれた競走馬、ストラヴィンスキー。その名は、競馬史に燦然と輝く一星として、長く記憶されることでしょう。1999年には、カルティエ賞最優秀スプリンターに選出されるなど、競走馬時代からその類まれな能力で大きな注目を集めました。

デビュー前からその才能は高く評価されており、英2000ギニーの単勝オッズは17倍という低い数字に反映されていました。1998年8月のデビュー戦を勝利で飾ると、その後もサラマンドル賞、デューハーストステークスなど主要レースに出走。サラマンドル賞では2位に入線するも降着、デューハーストステークスでは3着と、結果を残すには至りませんでした。しかし、1999年にはジュライカップでレコードタイムでの快勝、G1競走初制覇を成し遂げます。続くナンソープステークスも制し、G1競走2連勝という偉業を達成しました。その後、ブリーダーズカップ・スプリントに挑戦するも6着に敗れ、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

競走馬を引退したストラヴィンスキーは、種牡馬として新たな道を歩み始めます。アメリカで種牡馬入りすると、リース種牡馬としてニュージーランドでも活躍の場を広げました。短距離戦線を中心に多くの活躍馬を輩出し、2003年にはアメリカ、ニュージーランドのファーストシーズン・チャンピオンサイアーに輝くなど、その繁殖能力の高さを証明しました。2006年には日本軽種馬協会に購買され、静内種馬場で供用されることになります。

ストラヴィンスキーの産駒は、その父譲りのスプリンタータイプが多い一方で、クラシックディスタンスに対応できる馬も輩出しました。Serenade Roseはその代表例で、オーストラリアンオークス、クラウンオークス、アローフィールドスタッドステークスなど、オーストラリアの主要なクラシックレースを制覇しています。また、アメリカで種牡馬入りしたにも関わらず、その上級産駒はヨーロッパやオセアニアの芝コースで活躍するという、興味深い傾向が見られました。

主な産駒としては、Balmont（ミドルパークステークス）、Benbaun（アベイ・ド・ロンシャン賞）、Keeninsky（マナワツサイアーズプロデュースステークス、テレグラフハンデキャップ）、Mr. Baritone（ストラドブロークハンデキャップ）、Soldier's Tale（ゴールデンジュビリーステークス）など、数々のG1競走馬が名を連ねています。日本でもコンゴウリキシオー（金鯱賞、マイラーズカップ、きさらぎ賞、かきつばた記念）など活躍馬が多数輩出され、日本の競馬界に大きな貢献を果たしました。

2018年に種牡馬を引退したストラヴィンスキーは、静内種馬場で功労馬として繋養されていましたが、2023年11月21日、27歳という年齢で老衰のため亡くなりました。その生涯は、競走馬としての華々しい活躍と、種牡馬としての類まれな成功、そして日本の競馬界への多大なる貢献で彩られたものでした。彼の血統は、これからも日本の競馬界に大きな影響を与え続けることでしょう。

父系は名種牡馬Nureyev、母はビヴァリーD・ステークス優勝馬Fire the Groomと、その血統背景もまた、ストラヴィンスキーの偉大さを物語っています。伯父にはスプリントカップ優勝馬Dowsingもおり、その遺伝子を受け継ぎ、数々の名馬を輩出した彼の功績は、いつまでも語り継がれるに違いありません。

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