ストリート・サヴァイヴァーズ

レーナード・スキナード『ストリート・サヴァイヴァーズ』

『ストリート・サヴァイヴァーズ』（Street Survivors）は、アメリカのロックバンド、レーナード・スキナードが1977年に発表した5枚目のスタジオアルバムです。

制作の背景

当初、バンドはプロデューサーにトム・ダウドを迎え、マイアミのクライテリア・スタジオでレコーディングを行いましたが、結果に満足できず、アトランタのスタジオ・ワンでバンド自身のプロデュースにより再録音されました。オリジナルLPのクレジットでは、ミキシングを担当したロドニー・ミルズの名前が「スペシャル・プロダクション・クレジット」として記載されています。2008年3月4日に発売された2枚組CDデラックス・エディション盤には、クライテリア・スタジオ録音の初期バージョンがボーナス・ディスクとして収録されています。

「ワン・モア・タイム」は、1971年にマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオで行われたデモ録音からの音源です。エド・キング、グレッグ・T・ウォーカー、リック・メドロックといった初期メンバーが参加し、ジミー・ジョンソンとティム・スミスがプロデューサーとしてクレジットされています。

悲劇的な飛行機事故

アルバムリリースからわずか3日後の1977年10月20日、バンドは全米ツアー中にサウスカロライナ州グリーンビルからルイジアナ州バトンルージュへ飛行機で移動中、ミシシッピ州の沼地で墜落事故に見舞われました。この事故により、ロニー・ヴァン・ザント、スティーヴ・ゲインズ、バックアップ・ボーカリストのキャシー・ゲインズ、バンドのアシスタント・ロード・マネージャー、そして飛行機の操縦士と副操縦士の計6名が命を落としました。他のメンバーも重傷を負いましたが、ドラマーのアーティマス・パイルとクルー2名は、飛行機の残骸から脱出して沼地を歩き、地元の農家に救助を求めることができました。

この悲劇的な事故をきっかけに、バンドは一度解散しましたが、1987年には生き残ったメンバーであるゲイリー・ロッシントン、ビリー・パウエル、レオン・ウィルクソン、アーティマス・パイルが、ロニー・ヴァン・ザントの弟であるジョニー・ヴァン・ザントと初期メンバーのエド・キングを迎え、バンドを再結成しました。

評価と影響

アメリカでは、Billboard 200で自身最高の5位を記録し、シングル「ホワッツ・ユア・ネイム」はBillboard Hot 100で13位、「ユー・ガット・ザット・ライト」は69位に達しました。全英アルバムチャートでは13位を記録しています。

Stephen Thomas Erlewineは、オールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、「バンドは新ギタリストのスティーヴ・ゲインズを迎えて生命力を取り戻した」と評価し、「『セカンド・ヘルピング』以来となるまとまりのある作品」と評しました。ロバート・クリストガウは本作にAを付け、「優れたロード・バンドにありがちな話だが、両面とも最初の2曲は強力で、その後は退屈になっていく」と評しています。

収録曲

1. ホワッツ・ユア・ネイム
2. ザット・スメル
3. ワン・モア・タイム
4. アイ・ノウ・ア・リトル
5. ユー・ガット・ザット・ライト
6. アイ・ネヴァー・ドリームド
7. ホンキー・トンク・ナイト・タイム・マン
8. エイント・ノー・グッド・ライフ

このアルバムは、レーナード・スキナードの音楽的才能と、悲劇的な事故によって失われた才能を象徴する作品として、今もなお多くの人々に愛されています。

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