ストロンボリ級補給艦

ストロンボリ級補給艦

ストロンボリ級補給艦（イタリア語: nave da rifornimento classe Stromboli）は、イタリア海軍によって運用されている補給艦の艦級で、同海軍における本格的な補給艦の始まりを示す存在です。これは、他の艦船に必要な物資を効率的に供給するための設計が施されています。

設計と特徴

この艦級の船体は、凹甲板型とされており、機関の配置はアフト・エンジンタイプのタンカーとして設定されています。この特性により、艦の運用に必要な機動性と安定性が強化されているのです。

補給能力

艦の中央部には一基の門型ポストが設置されており、ドライカーゴや液体貨物用の補給ステーションを備えています。それぞれのステーションは1.8トンの能力を持ち、さらに軽量のドライカーゴ補給用ステーションが両舷に配置されています。艦尾からの補給も行うことが可能で、燃料の移送速度は艦船用燃料で毎時650 m³、ディーゼル油や航空燃料では毎時480 m³、艦尾側では毎時430 m³という高速処理を実現しています。

艦尾部分はヘリコプター用の甲板とされていますが、ハンガーは設けられていないため、艦載機の運用には制限があります。

艦載物品と乗員

補給艦としての役割を果たすため、以下の標準的な物資を搭載できます：

• - 燃料油：1,370トン
• - ディーゼル油：2,830トン
• - 航空燃料：480トン
• - その他ドライカーゴ：200トン

さらに、20名の補修要員と250名の便乗者を収容する能力も備えています。これにより、艦は長期間の運用を可能にしています。

自衛装備

ストロンボリ級補給艦は、自衛のために76mm単装砲を搭載しています。この火器は、NA-10砲射撃指揮装置を用いて制御されており、RTN-10Xと呼ばれる火器管制レーダーが装備されています。これにより、艦は対空および対艦攻撃に対しても一定の防衛能力を保持しています。

同型艦

ストロンボリ級の準同型艦として、イラク海軍向けに「アグナデーン」が建造されました。1981年に発注されたこの艦は1982年に起工、1983年までには竣工しました。しかし、イラン・イラク戦争の影響により、艦はイラク海軍に引き渡されることなく、1990年代には国際的な制裁の影響を受けて売却不可能な状態となりました。その後、1996年にはフィンカンティエリ社に返還されています。

結論

ストロンボリ級補給艦は、イタリア海軍の補給能力を大いに向上させる存在となっています。これにより、艦隊の持続力と戦闘力を保つための重要な役割を果たしています。

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