ストーミー・マンディ

ストーミー・マンディ

『ストーミー・マンディ』（原題：Stormy Monday）は、1988年にイギリスで制作されたサスペンス映画であり、フィルム・ノワールの雰囲気をまとった作品です。これが長編映画監督としてのデビュー作となったマイク・フィギスの手腕が光ります。タイトルの『ストーミー・マンデイ』は、著名なブルース・ギタリスト、T-ボーン・ウォーカーの代表曲から借用されており、作中の音楽性や雰囲気に深く関わっています。

あらすじ

物語の舞台は、イングランド北東部に位置する港湾都市ニューキャッスルです。この街のウォーター・フロント地区では、大規模な再開発計画が進行していました。そこにアメリカからやって来たやり手のビジネスマン、コズモがこの計画の中心人物として登場します。コズモは次々と土地や建物を買い取っていきますが、一つだけどうしても手に入れることができない場所がありました。それは、フィニーという男が経営するジャズクラブです。フィニーは頑なに買収に応じず、コズモは彼を強引に説得するためにニューキャッスルに乗り込んできたのでした。

一方、このジャズクラブで清掃係として働くことになった青年ブレンダンは、ある日、偶然立ち寄ったレストランでウェイトレスとして働くケイトと出会います。惹かれ合った二人は次第に親密になっていきます。しかし、同じレストランでブレンダンは、コズモの部下らしき男たちがフィニーを力ずくで屈服させる計画を立てている会話を耳にしてしまいます。倫理的な葛藤の末、ブレンダンはその不穏な情報をフィニーに伝え、間一髪でフィニーは危機を免れます。この出来事をきっかけに、ブレンダンはフィニーとコズモの危険な対立構造、そしてコズモが仕掛ける複雑な陰謀へと深く巻き込まれていくことになります。さらに、ブレンダンは愛するケイトが、コズモの愛人であるという衝撃的な事実を知ることになり、彼の状況は一層入り組んだものとなっていきます。再開発、利権争い、そしてその中で揺れ動く人間関係が、ニューキャッスルの曇り空の下で描かれます。

キャスト

個性的な俳優陣が主要な役柄を演じています。特に、ジャズクラブのオーナーを演じるスティング、冷徹なビジネスマンを演じるトミー・リー・ジョーンズの存在感が光ります。また、物語の中心となる青年をショーン・ビーンが、謎めいた女性をメラニー・グリフィスが演じています。

ケイト：メラニー・グリフィス（日本語吹替：島本須美）
コズモ：トミー・リー・ジョーンズ（日本語吹替：銀河万丈）
フィニー：スティング（日本語吹替：大塚芳忠）
ブレンダン：ショーン・ビーン（日本語吹替：山路和弘）
トニー：ジェームズ・コスモ
市長：アリソン・ステッドマン
ボブ：デレク・ホックスビー（日本語吹替：津田英三）
アンドレ：アンジェイ・ボルコウスキー（日本語吹替：仲野裕）

その他の情報

本作は、そのタイトルの由来からもわかるように、ジャズやブルースの音楽が重要な要素として用いられており、ニューキャッスルの街の雰囲気と相まって独特の世界観を作り出しています。

日本においては、1995年3月9日にテレビ東京の「木曜洋画劇場」にてテレビ初放映されました。

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