ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン

『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』

『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』は、2018年に公開されたウクライナ製のコンピュータアニメーション映画です。この作品の原作は、ロシアの著名な詩人、アレクサンドル・プーシキンの童話『ルスラーンとリュドミーラ』であり、オレ・マラムシュが監督を務めました。本作は、勇気ある役者ルスランが、悪の魔法使いチェルノモールによって誘拐された王女ミラを救い出すために奮闘する物語です。

物語の概要

物語の主人公は、騎士に憧れを抱く若き役者ルスランです。彼はある日、知性に満ちた王女ミラと出会い、彼女に見栄を張って自分を騎士だと偽ります。しかし、次第に彼は彼女に魅せられ、ミラが悪の魔法使いチェルノモールにさらわれたことを知り、彼女を救うために立ち上がります。ミラもまた、父から教わった危険な外の世界に興味を持ち、強制的な結婚に反発し自由を求める姿を見せます。

キャストとスタッフ

本作のキャストには、ルスラン役を演じるオレクシー・ザブゴロドニー、ミラ役を務めるナディア・ドロフィエワ、悪の魔法使いチェルノモール役のエフゲン・マルカ、ルスランの親友レスター役のセルゲイ・プリトゥラなど、名優がそろいました。また、製作にはウクライナ国立映画庁の出資もあり、製作費は約9,520万フリヴニャとされています。

製作の背景

本作は、2013年にプロジェクトが発表され、最初は2Dアニメとして製作される予定でしたが、後に3Dアニメーションへと変更されました。制作チームは、キャラクター制作にハリウッドのコンサルタントを起用し、英語で製作された後にウクライナ語に吹き替えられました。このようにして、国際市場に向けた大規模なプロジェクトとして進行しました。

音楽とサウンドトラック

音楽は、ウクライナのバンド「ヴレーミャ・イ・スチクロー」による主題歌「Do zirok」が使用され、エンドクレジット曲にはジャマラが担当した「Ty Lyubov Moya」が起用されています。このような楽曲は、作品の感情や雰囲気を一層引き立てています。

公開と興行収入

映画は、2018年3月7日にウクライナで公開され、初週末には2,100万フリヴニャの興行収入を記録しました。また、海外でもルーマニアやトルコなどで興行され、広く評価されることとなりました。特にルーマニアでは、公開初週末で高い興行成績を上げ、国際的なアニメーション映画としての存在感を示しました。

作品の評価

興行成績は良好でしたが、批評家からの評価は賛否が分かれました。観客からはウクライナらしさが欠如しているとの声がある一方で、アニメーションの品質や巧みなジョーク、大人も子どもも楽しめる内容については評価されています。アニメ映画としての絵作りやストーリー展開が評価され、多くの人々に愛されています。

日本での公開

日本では、ウクライナがロシア軍の侵攻を受けている中で、この映画を応援するためのクラウドファンディングが行われ、約950万円が集まりました。2023年には日本語吹き替え版が制作され、複数の声優が起用されています。日本での上映が待ち望まれ、多くの期待が寄せられています。

この映画は、ユニークなストーリーと美しいアニメーションで、観る人の心を捉える作品となっています。

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