スノーシュー

スノーシューとは

スノーシューとは、雪の上を楽に歩くための雪上歩行具です。西洋では「かんじき」とも呼ばれています。主にプラスチックやジュラルミンなどの素材で作られており、ワカンよりもサイズが大きく、浮力が高いのが特徴です。これにより、深い雪でも沈みにくく、ラッセル（雪を踏み固めながら進むこと）も比較的容易に行えます。

しかし、サイズが大きい分、狭い場所では歩きにくく、持ち運びの際にもかさばるといったデメリットもあります。重さは2kg程度です。

それでも、ワカンやスキー、アイゼンなど他の雪上歩行具に比べて手軽に雪上歩行を楽しめるため、近年ではスノーシューを履いて雪上を散策するツアーが人気を集めています。雪山登山だけでなく、雪原でのハイキングや自然観察など、幅広い用途で利用されています。

スノーシューの種類

スノーシューは、使用する場所や目的に合わせて、主に以下の3種類に分類されます。

1. 平地・緩斜面用

歩きやすさを重視したモデルです。グリップ力は登山用よりも弱く、急斜面や斜面のトラバースには適していません。主に雪原や緩やかな雪道でのハイキングなどに使用されます。

2. 登山用

雪面に対するグリップ力が強く作られています。急斜面や雪の積もった登山道での使用に適しています。ただし、ワカンとアイゼンを併用した方がグリップ力は強くなる場合が多いです。

3. トレイルランニング用

軽さを重視したモデルです。雪上を走ることを目的としており、フィット感や安定性に優れています。

スノーシューの歴史

スノーシューの起源は定かではありませんが、紀元前1世紀の地理学者ストラボンは、コーカサス地方の住民が皮や木を使ったスノーシューを使用していたと記述しています。また、アメリカ先住民もそれぞれ独自の工夫を凝らしたスノーシューを使用していたことが知られています。

冒険家フリチョフ・ナンセンの著書をドイツ語に翻訳した際に、スキーと混同された事例があるなど、過去には混同されることもありました。

近年では、山岳マラソン形式で雪道を走るスノーシューイングという競技も行われており、スノーシューは雪上スポーツの分野でも活用されています。

その他

猫の品種にも「スノーシュー」という名前の品種が存在します。アメリカ原産で、アメリカンショートヘアとシャムの交配によって誕生しました。名前の通り、足先が白いのが特徴で、まるでスノーシューを履いているように見えることから、この名前が付けられました。短毛種で、体系はセミフォーリンです。

関連項目

* アイゼン - 靴底に装着できる金属製の爪が付いた登山用具

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