スバル・FB型エンジン

スバル・FB型エンジンの概要

スバル・FB型エンジンは、SUBARUブランドによって提供される第3世代の水平対向4気筒ガソリンエンジンのシリーズで、2010年に発表されました。このエンジンは、1989年に導入されたEJ型エンジンと、1966年からのEA型エンジンの後継であり、技術の進化を反映しています。

FB型エンジンの設計は、出力トルクの向上と燃費の改善を目指しており、特にストロークを長くし、内径を小さくすることで達成されています。これにより、従来型のEJ型と比べてパフォーマンスが向上しました。また、カムシャフト駆動にはチェーン式が採用され、補機類にはサーペンタイン式のベルトが使用されています。このエンジンは群馬製作所の専用工場で組み立てられ、FA型エンジンはFB型の技術を基にして開発されています。

設計と技術

FB型エンジンでは、燃焼効率の向上を図りつつ、環境性能も考慮されています。特に、内径を⌀92 mmから⌀84 mmに縮小し、小型の燃焼室を設計した点が特徴的です。また、ボアピッチは排気量の増加を見越してEJ20と同じ設定に保たれています。バルブの駆動方式は、直打式から摩擦低減を目的としたローラーロッカーアーム式に変更され、バルブの挟み角も狭くなっています。これらの技術により、燃焼の改善が実現され、中低速域でのトルク増加と燃費性能の向上が達成されました。

FB型エンジンは可変動弁機構「デュアルAVCS」を採用しており、低負荷時にはミラーサイクル化される性能があります。また、油圧式の中間ロック機構を備えたAVCSにより、始動時の制御性能が向上しています。EGRクーラーを搭載することで、高負荷時のEGR導入が可能となり、広範囲な燃費改善が図られています。さらに、触媒のレアメタル使用量を約30%削減することに成功し、そのコストも50%減少させています。

寸法と重量

FB型エンジンのサイズについては、EJ型エンジンからほぼ引き継がれ、現行車種との互換性を考慮した設計がなされています。重量面では、ピストンとコネクティングロッドの軽量化により約20%の軽量化が図られています。しかし、ロッカーアームとチェーン駆動の採用により整備・保守の軽減が進んだ結果、全体としては約4kgの増加が見られました。基本的には自然吸気専用エンジンが設計されており、アイドリングストップ機能との組み合わせも考慮されています。

エンジンオイルとモデルバリエーション

FB型エンジンに適合する純正オイルとして、従来の5W-30から省燃費性能を高めた0W-20オイルが新たに設定されており、オイル量もEJ型より多くなっています。FB型エンジンには、FB16、FB20などの多様なバリエーションが存在し、各モデル、特にFB16 DITはターボチャージャーを搭載し、より高い出力を発揮するよう設計されています。

FB型エンジンは、スバルの各モデルに搭載されており、その性能と効率性が高く評価されています。技術の進歩と環境への意識が反映されたFB型エンジンは、スバルの基幹エンジンとしての役割を果たしています。

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