カムシャフト

カムシャフトについて

カムシャフトは、卵型のカムが複数付けられた軸であり、内燃機関において非常に重要な役割を果たします。このカムは中心軸を回転し、外周との距離が異なることで、他の部品に繰り返し動作を伝える機能を持っています。カムシャフトが文献に登場するのは、1206年にアル＝ジャザリが著した書物が最古となっています。

内燃機関では、カムシャフトは給排気や圧縮を制御するポペットバルブを開閉するためのカムを各気筒に備えています。一般的に、カムシャフトはクランクシャフトからの回転を、タイミングチェーン、タイミングベルト、またはギアトレインを介して受け取ります。特に4ストロークエンジンでは、クランクシャフトが2回転する間にカムシャフトは1回転します。このように、カムシャフトはエンジンの動作をスムーズにする重要な部品です。

逆に多くの2ストロークエンジンやバンケルロータリーエンジンでは、カムシャフトは必要ないため、導入されていないこともあります。さらに、OHV星型エンジンにおいてもバルブの開閉にはカムが用いられていますが、例外的にその形は環状の板カムとなり、星型エンジン以外の典型的なカムシャフトとは異なる構造を持っています。

また、カムシャフトは鉄道車両の電気車、特に間接抵抗制御方式の主制御器でも使用されており、速度制御のために抵抗器の接続を切り替える役割を担っています。

カムシャフトの形式

ツインカム

ツインカムは、1基のエンジンに対して2本のカムシャフトを使用する形式を指し、一般にはダブルカムまたはDOHCと呼ばれます。この構造では、より精密なバルブの制御が可能になり、エンジンの性能向上に寄与します。

シングルカム

シングルカムは、1基のエンジンに1本のカムシャフトを持つ形式で、SOHC（シングルオーバーヘッドカムシャフト）に該当します。シングルカムはシンプルな構造ですが、バルブの制御が比較的限定的になります。

関連項目

• - ロッカーアーム: バルブの動作を伝える部品。
• - ローラーロッカー: バルブアクチュエータの一種。
• - カムフォロワー: カムの形状をフォローしてバルブを操作する部品。
• - ハイリフトカムシャフト: バルブのリフト量を増加させ、効率的な吸排気を実現するカム。
• - バルブオーバーラップ: バルブ同士の開閉タイミングが重なる現象。
• - タイミングチェーン/タイミングベルト: エンジンの動力伝達を行う部品。
• - 可変バルブ機構: バルブの開閉タイミングを変化させるためのシステム。

このように、カムシャフトは内燃機関および他の機械装置において、その機能と構造が多様であることから、重要な役割を担う部品の一つと言えるでしょう。

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