スピーデーワンダー

スピーデーワンダーについて

概要

スピーデーワンダーは、日本の競走馬及び種牡馬として存在した名馬である。地方競馬・名古屋競馬場での輝かしい成績を経て、中央競馬に進出し、重賞での勝利を収めた一方で、脚部の故障によりその活躍期間は短命であった。彼の出身や成績、主要な戦績について詳しく見ていこう。

誕生

スピーデーワンダーは、北海道・門別にある柏台牧場で生まれた。母は名牝のミスリラであり、1952年の桜花賞を制し、優駿牝馬でも2着に入るなど素晴らしい成績を収めた。父はヴィミーで、1955年のキングジョージ6世・クイーンエリザベスステークスの勝ち馬であり、フランスダービーで2着に入る実績を持っていた。スピーデーワンダー自体は良血の馬であったが、彼が生まれた時点では母の産駒の中で目立った活躍馬は少なく、父の種牡馬としての成果も未知数だった。このため、スピーデーワンダーは、名古屋競馬場の野島三喜雄厩舎に入厩し、石坂達也の持ち馬としてデビューすることになった。

馬名の由来については、アメリカの歌手スティービー・ワンダーから取られたという説があるが、過去に名古屋競馬に存在したアラブ系馬「スピーデー」が由来であるとの言い伝えも存在する。

戦績

地方競馬

スピーデーワンダーのデビュー戦は1968年11月16日、名古屋競馬場のダート800mで行われた。山田義男騎手を鞍上に、1番人気として出走したが、スタートで出遅れ、最終的には6着に終わった。しかし、その後は成績を回復し、12月11日の再出走で初勝利を手にし、さらに12月23日にも勝利を収めた。

1969年には、1勝を上げた後に若干の休養を取り、復帰後は再び素晴らしいパフォーマンスを発揮し、11戦9勝の好成績でA1クラスに昇格。1970年には、新春グランプリを始めとする重賞でも勝利を収め、大いにファンから支持された。この年の中には、東海桜花賞での2着や、最終的には中央競馬に転向するまで、名古屋での18戦14勝の成績を残した。

中央競馬

1970年7月5日、スピーデーワンダーは中央競馬デビューを果たす。最初は小倉競馬場で行われた筑紫賞に出走したが、思うような結果は出ず最下位に終わった。しかし、その後のレースでは実力を示し、個々のレースで徐々に結果を残していく。中でも、中日新聞杯では1番人気としてレコードタイムでの勝利を飾り、続く阪神大賞典でも重賞2勝目を達成。次第に関西のトップクラス馬としての地位を確立していった。

その後、関東への転厩もあり、新たな挑戦を開始するも、天皇賞（春）や宝塚記念では5着や3着と苦しむ場面もあった。脚部に不安を抱えながらも天皇賞（秋）では2着に入り、生涯最後のレースは1974年2月という年月を迎えた。

引退とその後

現役を終えたスピーデーワンダーは種牡馬としての道を歩むことになったが、残念ながら多くの産駒のニュースを耳にすることはなかった。彼の競走馬としての記録は残り続け、今日でも競馬ファンの記憶に刻まれた名馬として語り継がれている。

年度別競走成績

• - 1968年（3戦2勝）
• - 1969年（12戦10勝） - 東海公営A級
• - 1970年（地方3戦2勝・中央9戦3勝）

- 1着: 新春グランプリ、東海キング賞、中日新聞杯、阪神大賞典
- 2着: 東海桜花賞、中京記念

• - 1971年（10戦2勝）

- 1着: ダイヤモンドステークス
- 2着: 天皇賞（秋）

• - 1972年（1戦0勝）
• - 1973年（未出走）
• - 1974年（障害1戦0勝）

彼の活躍は今でも多くの競馬ファンに愛され、評価されている。

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