スピードキング NEO KOBE 2045

『スピードキング NEO KOBE 2045』は、1995年にコナミ（現コナミデジタルエンタテインメント）からアーケード向けにリリースされた、近未来を舞台としたレーシングゲームです。このゲームは、当時としては珍しい大型体感筐体を採用しており、プレイヤーは上下左右の揺れだけでなく、筐体そのものが回転するほどの激しい動きの中で、レースを体験することができました。

1996年12月には、プレイステーションにも『スピードキング』として移植され、家庭でも楽しめるようになりました。家庭用版では、アーケード版にはなかった追加要素も用意されており、より深くゲームを堪能することができます。

概要

ゲームの舞台は、西暦2045年の神戸をイメージした「ネオコウベシティ」です。プレイヤーはタイヤのないホバービークルを操作し、この近未来都市を舞台にしたレースに挑みます。ネオコウベシティは、コナミのアドベンチャーゲーム『スナッチャー』の舞台でもあり、背景には同ゲームに登場したコナミ・オムニビルなどの建造物が再現されています。また、ゲーム内の看板には日本語が多く使われており、コナミ社内のチーム名である「METALSLAVE」の名前も随所に見られます。

このゲームがリリースされた1990年代中頃は、『F-ZERO』や『ワイプアウト』といった、近未来を舞台にした反重力高速レースゲームが人気を博していました。『スピードキング NEO KOBE 2045』も、そのブームに乗る形で開発されたと言えるでしょう。コースは途中で途切れてジャンプしたり、急斜面をハイスピードで駆け抜けたりするなど、迫力満点のレイアウトが特徴で、プレイヤーは爽快感あふれるレースを楽しむことができました。さらに、反重力マシンの操作によっては、コースの視点が90度傾くなどの表現も用いられ、ゲームの臨場感を高めています。

内容

ゲームの目的は、一定時間内にコースを3周完走することです。制限時間を過ぎてしまうとタイムアップとなりゲームオーバーになります。コースは初級A、初級B、中級、上級の4つが用意されており、プレイヤーのレベルに合わせて選択できます。このゲームの特徴として、壁に激突しても、一定のスピード内および適度な角度であれば、スピンや減速をせずに走行を続けることができます。

グラフィック＆サウンド

ゲーム音楽は、『MR.MACHINE』のように、ギターサウンドを多用したハイスピードなテクノ調の楽曲が特徴的です。コナミのレトロゲームのフレーズを用いた楽曲も存在します。アーケード版の作曲は、『スナッチャー』も担当した泉陸奥彦氏。家庭用版の追加曲は山岡晃氏が担当しました。また、MSX時代から近未来的なテクノサウンドを制作していた「テクノウチ」こと竹ノ内裕治氏が効果音制作に参加しています。

サウンドトラック

『スピードキング/対戦ぱずるだま オリジナル・ゲーム・サントラ』が発売されており、『コナミベストセレクション'98秋』にもアレンジバージョンが収録されています。また、『ギターフリークス・ドラムマニア』や『ツインビーRPG』など、他のコナミのゲームにも『スピードキング』の曲をモチーフにしたアレンジバージョンが使用されており、これらのサウンドトラックも発売されています。

家庭用追加要素

プレイステーション版では、アーケード版の2機体に加え、コナミのゲームをモチーフにした6機体が最初から使用可能です。オリジナル要素として、マシンの最高速度を調整できる「スピードクラス」が追加されました。しかし、起伏の激しいコース2、3では、ポリゴン欠けが目立つという欠点もあります。

特定の条件を満たすと、『グラディウス』のビックバイパー、『スナッチャー』のトライサイクル、『パロディウス』シリーズの「あいつ」など、さらに多くの隠し機体を使用することが可能になります。これらの隠し機体は、最初から使用できる機体よりも高性能に設定されています。また、エンディングも一部追加されています。

脚注

『スナッチャー』

関連項目

スナッチャー

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