スプラッシュ・マウンテン

スプラッシュ・マウンテン：過去と未来

ディズニーパークで長年愛されてきたアトラクション『スプラッシュ・マウンテン』。丸太型ボートに乗り込み、映画『南部の唄』の世界観を再現した水路を進み、最後は高さ約16mの滝つぼに落下するスリル満点の急流下りです。主人公のブレア・ラビットが、笑いの国を探す冒険の物語が展開されます。

物語の概要

様々な悩みを抱えるブレア・ラビットは、「笑いの国」の噂を聞きつけ、冒険の旅に出ます。彼を追いかけるのは、いたずら好きのブレア・ベアとブレア・フォックス。2匹に捕まったブレア・ラビットは、「いばらの茂み」に投げ込まれることを恐れて懇願しますが、逆に茂みに投げ込まれてしまいます。しかし、その茂みこそが彼の故郷であり、「笑いの国」だったのです。

問題とテーマ変更

アトラクションのテーマである『南部の唄』は、黒人描写に関する問題から批判を受けており、ディズニー社もその点を認識していました。2020年のミネアポリス反人種差別デモを機に、アトラクションの改修を求める声が世界中で高まりました。

これを受け、ディズニー社は2020年、アメリカ国内の『スプラッシュ・マウンテン』のアトラクション設定を変更することを発表。新しいテーマは、ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』となり、「ティアナのバイユー・アドベンチャー」として生まれ変わります。アメリカフロリダとカリフォルニアのパークでは2023年に閉鎖され、2024年のオープンを目指して改装が進められています。

各パークでの展開

ディズニーランド（カリフォルニア州）

世界初のスプラッシュ・マウンテンとしてオープン。他のパークと比べて、ボートが縦1列6人乗りで、安全バーがない点が特徴的です。落下の回数も3回と少ない一方で、登場する動物の種類は多いという違いがあります。

マジック・キングダム（フロリダ州）

フロリダ版は、東京ディズニーランド版と同様の構造ですが、ライドの形状や定員などが異なり、巻き上げシステムにチェーンを使用するなど、いくつかの違いがあります。マジックキングダムにはクリッターカントリーが存在しないため、アトラクションはフロンティアランドにあります。

東京ディズニーランド（千葉県）

1992年にオープン。コース全長は約850mと世界最長を誇り、最高速度は約62km/h、山の高さは約30.3mと、スケールの大きさが魅力です。ボートは2列4人乗りの安全バー付きで、水しぶきの量は他のパークに比べて抑えられています。シングルライダーにも対応し、ファストパスも導入されています。日産自動車に続き、現在は花王がスポンサーを務めています。

東京ディズニーランドでは、アメリカでのテーマ変更を受けて、現状維持かテーマ変更か検討中であると発表されています。

音楽とトリビア

アトラクション内では、『南部の唄』の楽曲をはじめ、様々な曲が使用されています。「How Do You Do?」、「Ev'rybody's Got A Laughin' Place」、「Burrow's Lament」、「Zip-a-Dee-Doo-Dah」などが代表的です。

また、アトラクションに登場するキャラクターの中には、かつてアナハイムのディズニーランドにあったシアターアトラクション「アメリカシングス」のキャラクターも含まれています。

『スプラッシュ・マウンテン』は、そのスリルと魅力的なストーリーで多くの来場者を魅了してきたアトラクションです。テーマ変更という大きな変化を経て、どのような姿で未来に繋がるのか、注目が集まっています。

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