スプレッドイーグル (競走馬)

スプレッドイーグル：18世紀イギリスのサラブレッド英雄

1792年生まれのスプレッドイーグルは、イギリスが生んだサラブレッド競走馬です。その名は、18世紀後半の競馬史に、鮮やかな足跡を残しました。サラブレッドの礎を築いた名馬エクリプスを曾祖父に持つ血統を受け継ぎ、父はヴォランティアー、母はハイフライヤーの血を引く牝馬という、恵まれた出自を持っていました。鹿毛の牡馬として、フランク・スタンディッシュ準男爵によって所有され、調教師リチャード・プリンスのもとで競走馬としてのキャリアをスタートさせました。

スプレッドイーグルの競走成績に関する記録は断片的ですが、彼の名を不朽のものとしたのは、1795年5月21日に行われた第16回ダービーステークスでの勝利です。11頭が出走したこのレースで、スプレッドイーグルはアントニー・ウィートリー騎乗のもと、3対1という支持率で優勝を飾りました。総賞金は1470ポンドにのぼり、2着はコウスティック、3着はペルターという結果でした。ダービーステークス制覇は、その後の競走生活においても数々の勝利をもたらし、スプレッドイーグルの競走馬としての地位を不動のものとしました。ダービー優勝後も、彼はいくつかのステークスレースで勝利を収めたと伝えられています。

競走馬としての輝かしいキャリアを終えると、スプレッドイーグルは1798年、ジョン・ヒューム大佐によってアメリカ合衆国ヴァージニア州へと移送されました。アメリカの地では、種牡馬として活躍することとなります。多くの優れたサラブレッドを産み出し、アメリカにおけるサラブレッド改良に貢献しました。しかし、1805年、ケンタッキー州でその生涯を終えました。

スプレッドイーグルは、ダービーステークス優勝という輝かしい実績を残しただけでなく、アメリカにおけるサラブレッドの血統向上にも貢献した重要な馬です。その生涯は、競走馬としての成功と、種牡馬としての貢献、そしてイギリスとアメリカという異なる舞台での活躍という、多様な側面から興味深い存在と言えます。

彼の全弟には、翌年のダービーステークスを制したディドロという競走馬がいました。兄弟そろってダービー優勝馬という快挙は、その血統の素晴らしさを改めて証明するものであり、スプレッドイーグルの血統的価値を高く評価する一因となっています。

スプレッドイーグルの血統、競走成績、そしてアメリカでの種牡馬としての活躍といった様々な情報が、彼の競馬史における重要性を物語っています。その生涯は、サラブレッドの歴史を紐解く上で欠かせない重要な一頁を飾るものです。彼の血統は、現在まで続く多くのサラブレッドの系譜に影響を与え続けており、その遺伝子は現代の競馬界においても生き続けていると言えるでしょう。

参考文献
“Spread Eagle”. Thoroughbred Bloodlines. 2011年1月10日閲覧。
“Foundation Sires of the Thoroughbred: S # Spread Eagle”. Thoroughbred Heritage. 2011年1月10日閲覧。

外部リンク
* 競走馬成績と情報 JBISサーチ

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