スペイン・バスク

スペイン・バスク：歴史と現状

スペイン・バスクとは、歴史的なバスク地方におけるスペイン領土を指す用語です。バスク語では「エゴアルデ」と呼ばれ、カスティーリャ語では様々な名称で呼ばれています。この記事では、その範囲、歴史、政治状況について解説します。

名称について

スペイン・バスクは、バスク語で「エゴアルデ」または「エゴ・エウスカル・エリア」と呼ばれます。カスティーリャ語では、「エゴアルデ」、「パイス・バスコ・イ・ナバーラ」、「パイス・バスコ・ペニンスラール」など様々な呼び名があります。歴史的には、「ビスカヤ」、「ビスカヤとナバーラ」、「バスク諸県」などと呼ばれていました。

範囲

スペイン・バスクという行政区分は存在しません。一般的に、以下の地域が含まれます。

バスク州：アラバ県、ビスカヤ県、ギプスコア県の3県
ナバーラ州：ナバーラ県の1県

ただし、バスク州内にあるトレビニョ（カスティーリャ・イ・レオン州）とバリェ・デ・ビリャベルデ（カンタブリア州）の飛び地は、スペイン・バスクに含まれないこともあります。

歴史

スペイン・バスクの4領域は、カスティーリャ王国に併合された後も強い自治権を有していました。しかし、1830年代の第一次カルリスタ戦争で自治権が縮小され、1876年の第三次カルリスタ戦争後に自治権は撤廃されました。その後、バスク地方はスペイン国家の一地域となり、納税や兵役の義務が課せられました。

20世紀に入ると、バスク地方の政治的地位の再確立が試みられました。1936年のスペイン内戦では、ビスカヤ県とギプスコア県が共和国側、アラバ県とナバーラ県が反乱軍側に分かれ、スペイン・バスクは政治的に分断されました。

フランコ政権崩壊後の1970年代末には、バスク3県によるバスク州が設置されました。ナバーラ県も加えたスペイン・バスク4領域の統合が模索されましたが、ナバーラ住民連合の反対により、ナバーラ県は単独でナバーラ州となりました。

現代の政治状況

スペイン1978年憲法には、ナバーラをバスクに編入する可能性を示唆する文言があります。ナバーラ住民連合は、この文言の除去を求めて憲法改正を主張しています。バスク人とナバーラ人の分離は、スペイン政府の意図するところであり、バスク地方とスペイン国家の係争解決に向けた大きな障害となっています。

スペイン・バスクは、歴史的な経緯から複雑な政治状況を抱えています。バスク地方とスペイン国家の関係は、今もなお解決すべき課題を多く抱えています。

関連項目

バスク地方：スペイン・バスクとフランス領バスクを合わせた地域
バスク州
* ナバーラ州

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