アラバ県

アラバ県は、スペイン北部、バスク州に位置する県であり、県都はビトリア＝ガステイスです。ビトリア＝ガステイスはバスク州の州都でもあります。バスク州を構成する3県の一つであり、歴史的なバスク地方の7県の一つでもあります。公用語はカスティーリャ語とバスク語で、公式表記は「Araba/Álava」と二言語併記です。

語源

アラバの語源には諸説あります。古代ローマ時代、ガリシアとアキタニアを結ぶ道沿いにあった領主アルバの邸宅が起源とする説があります。一方で、バスク語アカデミーは、8世紀のムスリム年代記にアラバ平原の記述があり、アラビア語の接頭辞「al」と古バスク語の「laua」が組み合わさって形成されたとしています。

地理

アラバ県は内陸部に位置し、北はギプスコア県やビスカヤ県、西はカスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス県、南はラ・リオハ州、東はナバーラ州と接しています。県内にはブルゴス県の飛び地であるトレビーニョが存在し、バスク民族主義党はトレビーニョのバスク州編入を望んでいます。

アラバ県は、地域によって気候が大きく異なります。北部は大西洋に近いため湿度が高く、南部は乾燥して温暖です。地形や景観によって5つの地域に区分されます。

ゴルベア山地: 北部、ビスカヤ県との境界に位置し、石灰岩の山地で、緑の草地が広がっています。
南東部: ラ・リオハ州に近い乾燥した谷で、人口はまばらです。
中央部盆地: ビトリア＝ガステイスやサルバティエーラ/アグラインを中心とし、穀物生産が盛んです。
東部: ナバーラ州やギプスコア県に近く、森林が広がるウルキージャ山地やウルバサ山地があります。
アラベーゼ・リオハ: 南西部、ラ・リオハ州に近く、ブドウ栽培が盛んです。
北西部: ネルビオン川河岸に位置し、ビスカヤ県ビルバオと深く結びついています。

アラバ県を流れる川はエブロ川に合流し、地中海へ注ぎます。サドーラ川とバジャス川が主要な河川で、ビトリア＝ガステイス近郊にはウリバリ＝ガンボア貯水池があります。北東部の谷には、大西洋と地中海の分水界が存在します。

地域区分

アラバ県は7つのクアドリージャ（郡）に分かれており、県都ビトリア＝ガステイスは単独でクアドリージャを構成しています。51のムニシピオ（基礎自治体）を含み、バスク州最大の面積を持ちますが、人口は最少です。人口の大部分はビトリア＝ガステイスに集中しています。

産業

1950年代までは農業が中心でしたが、1960年代以降、工業が発展し、特に中央部盆地で成長しました。ビトリア＝ガステイス、サルバティエーラ/アグライン、アライアに工業団地が形成されました。現在、農業従事者は2%に過ぎず、製造業が32%、第三次産業が60%を占めています。ビルバオの衛星都市であるラウディオ/リョディオやアムリオは人口が流入し、アラバ県内で2位、3位の自治体となりました。

政治

2011年の県議会議員選挙では、国民党が16議席、バスク民族主義党が13議席、ビルドゥが11議席、バスク社会党が9議席、エスケル・バトゥア＝ベルデアクが2議席を獲得しました。ビルドゥが第2党に躍進し、バスク州の3県で第1党が異なる結果となりました。

交通

アラバ県にはレンフェ（スペイン国鉄）の2路線が走っています。一つはラ・リオハ州ミランダ・デ・エブロとビスカヤ県ビルバオを結ぶ路線で、もう一つはミランダ・デ・エブロとナバーラ州パンプローナを結ぶ路線です。かつて存在したバスク＝ナバーラ鉄道は1967年に廃線となりました。

ビトリア＝ガステイスにはビトリア空港があり、バスク州で最長の滑走路を持ちますが、貨物便が中心です。2014年にはニューヨークへの初の直行便が設定されました。

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