スペイン戦争 (曲)

「スペイン戦争」（Spanish Bombs）は、ザ・クラッシュのジョー・ストラマーが作詞・作曲した楽曲で、1979年発表のアルバム『ロンドン・コーリング』に収録されています。この曲は、スペイン内戦と、ストラマーが1959年にスペインで設立されたバスク地方の武装独立組織ETAについて歌ったものです。

この楽曲は、後に1988年のコンピレーション・アルバム『ザ・ストーリー・オブ・ザ・クラッシュ』や、1991年のボックスセット『クラッシュ・オン・ブロードウェイ』にも収録され、その人気を不動のものとしました。

また、「スペイン戦争」は、国境やジャンルを超えて様々なアーティストにカバーされています。ドイツのロックミュージシャンであるリオ・ライザーや、メキシコのスカ・ロック・パンクバンド、ティファナ・ノー!、そしてそのリードシンガーであるセシ・バスティーダなどが、独自の解釈でこの曲を蘇らせています。

スペイン内戦との関連性

「スペイン戦争」は、1936年7月17日から1939年4月1日まで続いたスペイン内戦における共和主義者たちの英雄的行為を称賛する歌です。共和主義者とは、中道派から革命的な無政府主義者、共産主義者に至る幅広い人々を指します。

内戦はスペインを荒廃させ、最終的にはフランシスコ・フランコ率いる国民戦線軍（反乱軍）の勝利に終わりました。フランコはその後36年間にわたり独裁政治を行いました。

歌詞には、スペイン内戦に関する多くの地名や人名が登場します。例えば、アンダルシアは1936年の反乱によって最初に制圧された地域の一つです。また、アンダルシア出身の詩人フェデリコ・ガルシーア・ロルカ（歌詞ではフェデリコ・ロルカと表記）は、ジョー・ストラマーが個人的に敬愛していた人物であり、反乱軍によって銃殺されました。

歌詞に登場する「治安警察」（Guardia Civil）は、スペインの内務省と国防省の管理下にある武装警察です。

「彼らは赤い旗を歌い、黒い旗を身にまとう」という歌詞は、社会主義の象徴である赤旗と「赤旗の歌」、そして無政府主義者のシンボルである黒旗を指しています。アナルコサンディカリスムの全国労働者組合（CNT）も、無政府共産主義の象徴として赤と黒の旗を使用しています。

「スペイン戦争」は、単なる反戦歌としてだけでなく、歴史的な出来事や思想を背景にした、奥深いメッセージが込められた楽曲と言えるでしょう。

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