スペシャル・ブロードキャスティング・サービス

スペシャル・ブロードキャスティング・サービス（SBS）について

スペシャル・ブロードキャスティング・サービス（Special Broadcasting Service, 略称 SBS）は、オーストラリアの公共放送局です。多様な文化が共存するオーストラリアにおいて、その多文化主義を象徴する存在として、重要な役割を担っています。

概要

オーストラリアは、移民によって発展してきた国であり、英語を母語としない先住民や移民が多数存在します。この多様性を尊重し、SBSでは英語以外の多言語放送が全体の約半分を占めています。これは法的に定められており、SBSの重要な特徴の一つです。財源は主に政府からの交付金と広告収入によって賄われています。コマーシャル放送も認められていますが、政府交付金が主な収入源となっています。

SBSは、1975年にラジオ放送を開始し、1980年にはテレビ放送を開始しました。2002年にはデジタル放送に対応し、2つのテレビチャンネルを新たに追加しました。なお、静岡放送（SBS）や韓国のSBSとは略称が同じですが、直接的な関連はありません。

サービス

SBSは、ラジオ、テレビ、インターネットを通じて様々なサービスを提供しています。

ラジオ放送 (SBS Radio)

アナログ、デジタル、インターネットで放送。
68の言語で放送を実施。各言語の放送時間は、オーストラリア国内での使用者数に応じて調整されます。シドニーとメルボルンに拠点を置き、それぞれの都市から番組を制作・生放送します。時差のある地域には、録音放送を現地の時間に合わせて配信します。

テレビ放送 (SBS-TV)

総合編成チャンネルのSBS、ハイビジョン放送のSBS HD、若者向けのSBS VICELAND、海外映画専門のSBS WORLD MOVIES、グルメ専門のSBS FOOD、先住民向け放送のNITV、多言語ニュース専門のSBS WORLDWATCHなど、多岐にわたるチャンネルを展開しています。
主な番組には、オーストラリアと世界のニュースを英語で伝える「SBS World News」、中国語ニュースの「SBS Chinese News」、アラビア語ニュースの「SBS Arabic News」、国際ニュース番組の「dateline」などがあります。
テレビ放送の制作と送出はシドニーで行われ、首都キャンベラと各州都にはスタジオが設置されています。

多言語放送

ラジオ放送は68言語で、テレビ放送では世界各国のニュースを録画放送しています。テレビニュース「WORLDWATCH」では、日本、香港、フィリピン、ヨーロッパ各国、アメリカ、中東、アジアなどのニュースを放送しています。英語字幕は提供されていません。
英語圏以外の海外テレビ番組や映画を購入し、英語字幕または吹き替えを施して放送しています。また、英語版を共同制作するケースもあります。

日本語放送

SBSでは日本語放送も行われています。

ラジオ放送

メルボルンから長尾久昭氏が担当し、火曜、木曜、土曜の午後10時（オーストラリア東部標準時）から1時間放送しています。インターネットでも聴取可能です。
長尾氏は、以前ラジオ・オーストラリア（オーストラリア放送協会国際放送）で日本語アナウンサーを務めていました。

テレビ放送

日本の公共放送NHKのニュース番組を日本語で放送しています。「SBS WORLDWATCH」では、毎日午後11:00-11:35に「今夜のニュース7」を放送しています。

エピソード

2004年のアテネオリンピックでは、チャンネル7の多チャンネル放送計画が頓挫したため、SBSでも放送が行われました。
2006年のドイツワールドカップから、チャンネル9に代わってFIFAワールドカップの放映権を獲得しました。予選では、オーストラリア代表がウルグアイ代表を下し、初のワールドカップ出場を決めた試合が、SBS史上最多の視聴者数を記録しました。
また、オーストラリア出身の選手が多数出場する自転車競技のツール・ド・フランスも、衛星生中継で放送しています。

関連情報

ワールドニュースアワー（NHK BS1）：SBSと同様の構想を持つ番組です。
オーストラリアのユーロビジョン・ソング・コンテスト

外部リンク

sbs.com.au 公式サイト（英語）
* SBS Radio 日本語番組サイト（日本語）

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