スペースシステムズ/ロラール

スペースシステムズ・ロラール (Space Systems/Loral, SS/L)

スペースシステムズ・ロラール（SS/L）は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州パロアルトに位置するロラール・スペース＆コミュニケーションズ社の製造子会社です。SS/Lの起源は、1960年代にさかのぼり、もともとはフィリコ・フォード社の一部として「ウェスタン・デベロップメント・ラボラトリーズ」として設立され、その後、フォード・モーター社の宇宙技術部門であるフォード・エアロスペース社に再編成されました。その後、ロラール社がフォード・エアロスペース社の宇宙系部門を約7億1500万ドルで取得し、現在の形に至りました。

SS/Lは、政府向けおよび商業向けの多様な人工衛星や宇宙機器の設計と製造に取り組んでおり、提供する製品には、高出力の家庭向け映像配信用ブロードキャスト衛星、商業用の気象衛星、デジタル音声用の無線衛星、データネットワーク用のスポットビーム衛星などが含まれています。顧客には、アジアサット、ディレクTV、エコー・スター、NASAなど、さまざまな企業や機関が名を連ねており、世界中で幅広いサービスを提供しています。

SS/Lはその開発の過程で、1960年にフィリコ・フォード社が製造したクーリエ1Bを通じて、世界初の通信中継衛星を手掛けました。技術革新にも力を入れており、近年では電気推進機関の開発や、リチウムイオン電池、先進的な複合材料の商業衛星への適用を進めています。これにより、衛星のサイズやペイロード能力が大幅に向上すると共に、衛星の軌道上での寿命も延びることが可能となっています。また、利用者のニーズに応じたアプリケーションや、地上インフラを活用してモバイルデバイス向けのサービスを向上させるための技術も開発しています。

SS/Lの競合企業には、ボーイング衛星開発センター、ロッキード・マーティン、タレス・アレーニア・スペース、EADS アストリアムなどがあり、これらの企業と技術革新の競争を繰り広げています。

1300シリーズ

SS/Lは、パロアルトのプラットフォームを基にした1300シリーズ衛星を製造しています。このシリーズには、ProtoStar I、ICO G1、SIRIUS FM-6、SES NEW SKIES NSS-12などの衛星が含まれます。2008年時点では、このシリーズから48基の衛星が既に運用中であり、さらに4基は打ち上げを待っている状態で、14基が生産中です。

COTSへの参加

SS/Lは、コンスティレーション・サービス・インターナショナルと共同で、1300シリーズのプラットフォームを用いた再使用型軌道間輸送船の提案を行いました。この輸送船は、[国際宇宙ステーション]への物資輸送に使用される計画でしたが、最終的には他社のプロジェクトが選定されました。

ただし、SS/Lは引き続きBoeing North American社のRocketdyne Propulsion and Power Divisionの契約のもとで、ISS向けのバッテリー・オービタルリプレイスメントユニット（ORUs）、バッテリー充放電ユニット（BCDUs）、およびシーケンシャルシャントユニット（SSUs）を提供し続けています。

SS/Lは、今後も宇宙技術の先端を行く企業として、さまざまな衛星および関連技術の開発を進め、顧客の多様なニーズに応えていくことが期待されています。

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