スペースシャトル・インディペンデンス

スペースシャトル・インディペンデンス（NASA型名: OV-100）は、アメリカ合衆国の宇宙開発における象徴的な存在であり、現在はヒューストン宇宙センターでその雄姿を一般公開しています。しかし、その道のりは平坦ではありませんでした。

元々は「エクスプローラー」という名称で、フロリダ州のケネディ宇宙センター・ビジター・コンプレックスに展示されていました。エクスプローラー時代には、訪問者がスペースシャトルの内部構造や宇宙飛行士の生活を垣間見ることができるように、様々な工夫が凝らされていました。エレベーター付きの見物塔が設けられ、ペイロードベイ（貨物室）やコックピットのモックアップを見学することができました。また、初期の宇宙飛行士が着用していたオレンジ色の与圧服を着たマネキンも展示され、宇宙開発の歴史を感じさせる空間となっていました。さらに、エクスプローラーの隣には、2本の固体燃料補助ロケットが取り付けられた外部燃料タンクも展示され、スペースシャトルの打ち上げ時の迫力を彷彿とさせるものでした。

しかし、2011年、ケネディ宇宙センター・ビジター・コンプレックスに、スペースシャトル・アトランティスの実機が展示されることになり、エクスプローラーはその役目を終えることになりました。2011年12月、エクスプローラーは新たな展示場所を求めて移動を開始し、2012年6月、テキサス州のNASAジョンソン宇宙センターに隣接するヒューストン宇宙センターへと移設されました。

ヒューストン宇宙センターでは、退役したシャトル輸送機（SCA）の上に載せられた状態で展示されることになり、オービターの名称も新たに公募されることになりました。多くの人々が新しい名称に想いを馳せ、様々なアイデアが寄せられました。

そして、2013年10月5日、公募の結果に基づいて、新しい名前が「インディペンデンス」と発表されました。この名称は、アメリカの独立の精神と、宇宙開発における自由な探求心を象徴するものとして選ばれました。

現在、ヒューストン宇宙センターで展示されているスペースシャトル・インディペンデンスは、宇宙開発の歴史を伝える貴重な遺産であるとともに、未来の宇宙開発を担う世代に夢と希望を与える存在となっています。

スペースシャトル・インディペンデンスは、単なる展示物ではなく、アメリカの宇宙開発の歴史、技術力、そして未来への希望を象徴する存在なのです。その雄姿を目の当たりにすることで、私たちは宇宙への憧れを新たにし、人類の可能性を信じることができるでしょう。

関連情報：

* スペースシャトル・パスファインダー

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