スペースシャトル・パスファインダー

スペースシャトル・パスファインダー

スペースシャトル・パスファインダーとは、NASAが製作したスペースシャトルの取扱確認用模型と、それを元に日本の企業が製作した展示用模型の2つに与えられた名称です。それぞれ異なる目的と経緯を持つ、2つの「パスファインダー」について解説します。

1. 取扱確認用模型「パスファインダー」

NASAが1977年に製作した、通称「パスファインダー」と呼ばれる模型が存在します。これは、木材と厚紙で作られた実物大の簡略化された模型で、機体番号は付与されていません。主な目的は、マーシャル宇宙飛行センターやケネディ宇宙センターなどの施設で、実際の機体の大きさや取り扱い手順を確認することでした。

この模型は、正式名称ではなく、あくまで「先駆者」としての役割を担う模型に与えられた通称でした。実際の宇宙飛行は行わず、あくまで地上での取り扱いを検証するためのものでした。

2. 展示用模型「パスファインダー」（STA-098）

1983年、日本の企業が「大スペースシャトル展」を開催するにあたり、保管されていた取扱確認用の「パスファインダー」を元に、外観を細部まで詳細に復元した金属製の実物大シャトル模型が製作されました。この模型にも「パスファインダー」の名が与えられました。

この模型は、東京・大阪・名古屋で開催された「大スペースシャトル展」で公開され、好評を博しました。その後、アラバマ州ハンツビルの合衆国宇宙ロケットセンターに寄贈され、2代目の「パスファインダー」として、名誉機体番号 STA-098 が正式に贈られました。初代「パスファインダー」と同様に「先駆者」の意味が込められています。

現在、合衆国宇宙ロケットセンターでは、この展示用模型「パスファインダー」に、外部燃料タンクの試作品（MPTA-ET）と、チャレンジャー事故後に開発された新型固体ロケットブースタの試作品が装着され、中庭に展示されています。展示されるにあたって、より実際のスペースシャトルに近い外観となっています。

2つの「パスファインダー」は、それぞれ異なる目的で作られましたが、どちらもスペースシャトルの開発と普及に貢献した重要な存在です。

関連項目

スペースシャトル・インディペンデンス
スペースシャトル・エンタープライズ
スペースシャトル・コロンビア
スペースシャトル・チャレンジャー
スペースシャトル・ディスカバリー
スペースシャトル・アトランティス
スペースシャトル・エンデバー
モックアップ

外部リンク

* USスペース&ロケットセンター

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