スポーツオーソリティ (米国)

スポーツオーソリティ (Sports Authority) - アメリカ

スポーツオーソリティは、かつてアメリカ合衆国において、最大級の規模を誇ったスポーツ用品の専門店チェーンです。本社はコロラド州イングルウッドに置かれていました。

創業と成長

その歴史は1973年、フロリダ州フォートローダーデールに最初の店舗をオープンしたことから始まりました。手頃な価格で幅広いスポーツ用品を取り揃えるスタイルで、急速に事業を拡大していきます。

1990年には、当時の小売大手であったKmartの傘下に入ります。しかし、1995年には会社が分割され、スポーツオーソリティは再び独立した道を歩むこととなりました。

さらなる事業拡大を目指し、2003年には、1928年創業という長い歴史を持つガートスポーツ社（Gart Sports）と経営統合を果たしました。この統合により、スポーツオーソリティの公式な創業年は、ガートスポーツ社が以前に買収していたオッシュマンズ・スポーティング・グッズ（Oshman's Sporting Goods）の創業年である1919年として扱われることになりました。

最盛期には、アメリカ国内の45州に加え、プエルトリコでも事業を展開し、合計463店舗を運営する巨大チェーンへと成長しました。オンライン戦略としては、GSIコマースプラットフォームを利用したウェブサイトを運営し、実店舗と連携した多様な販売チャネルを展開していました。

経営悪化と終焉

しかし、競争の激化や消費行動の変化など、様々な要因が重なり、経営状況は徐々に悪化していきます。大規模なチェーンストアとしての運営コストも重荷となりました。

そして、2016年3月2日、ついに同社はデラウェア州の裁判所に対し、連邦倒産法第11章（日本の民事再生法に相当）に基づく会社更生手続きの適用を申請するに至ります。これは、事業を継続しながら負債を整理し、経営を立て直すための手続きでした。

会社更生による再建を目指し、事業の売却先を探しましたが、買い手を見つけることができませんでした。その結果、再建は断念され、同年5月25日には、当時のCEOであるマイケル・フォス氏が、8月末をもって全店舗を閉鎖することを発表しました。

これにより、長年にわたりアメリカのスポーツ用品小売業界を牽引してきたスポーツオーソリティの事業はその幕を閉じることとなり、会社は清算されました。

同社のブランド名や顧客リストなどの知的財産権は、清算プロセスの一環として競売にかけられ、同年7月には、かつての主要な競合相手であったディックス・スポーティング・グッズ社（Dick's Sporting Goods）がこれを取得しました。

関連事項

スポーツオーソリティは、かつてコロラド州デンバーにあるスタジアムの命名権を取得しており、「スポーツオーソリティ・フィールド・アット・マイル・ハイ（Sports Authority Field at Mile High）」という名称で知られていました。これは、同社が地域社会やスポーツイベントと深く関わっていた一例と言えるでしょう。

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