スメル山

スメル山（Gunung Semeru）

スメル山は、インドネシアのジャワ島に位置する活火山で、同島の最高峰を誇る3,676メートルの標高を持ちます。その雄大な姿は、ジャワ島の東側の海岸平野にドンとそびえ立ち、テンゲル火山群の南端に位置しています。山名は、古代インドの聖山「須弥山」に由来し、この地域の文化や精神的象徴ともなっています。

概要

スメル山は、特に小規模なブルカノ式噴火が頻発することで知られ、1818年以降の噴火歴は非常に豊富で、なんと55回以上の噴火が記録されています。このうち10回の噴火では、悲惨な結果を招く犠牲者が出ています。火山活動は、溶岩流や火砕流を伴い、やや規則的なペースで中規模な噴火を繰り返してきました。1967年以降、山は定常的に噴火を続け、約10分おきに小爆発を起こしているため、登山者には注意が必要です。

登山者は、主に北側のRanoPani村からアクセスすることが多いですが、火山ガスの吸引によるリスクも伴っており、十分な対策が求められます。スメル山は、近隣のブロモ山と共にブロモ・テンゲル・スメル国立公園内に位置しており、2015年にユネスコの生物圏保護区としても登録されています。

噴火の歴史

2021年12月4日、スメル山で大規模な噴火が発生し、42人以上が命を落とすという大きな被害を引き起こしました。この時、火砕流などの影響で多くの人々が避難を強いられました。その約1年後、2022年12月4日にも再度の大噴火が発生。噴煙は15,000メートルに達し、日本の気象庁が沖縄県の一部で津波の可能性があると発表しましたが、その後、影響がないことが確認されました。現地では2,000人近くが避難を余儀なくされました。

さらに、2025年11月19日にも大規模な噴火が起き、噴煙は16,000メートルに達しました。これを受けて、ジャカルタの国家災害管理庁（BNPB）は、東ジャワ州ルマジャンリージェンシーにおいて300人以上が避難していると発表しました。

注意事項

スメル山にハイキングや登山を計画する場合、最新の火山活動の情報を確認することが重要です。また、常に安全対策を講じ、地元のガイドの指示に従って行動することが求められます。火山の自然美を楽しむ一方で、リスク管理も忘れないようにしましょう。

参考情報

スメル山と周辺の火山についての詳細情報も、国立公園の公式サイトや国際的な火山研究機関の資料を通じて確認できます。これにより、より安全で楽しい登山体験ができるでしょう。

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