スモーキー・ジョー・ウッド

スモーキー・ジョー（ハワード・エルズワース・ウッド）

スモーキー・ジョーという名で広く知られるハワード・エルズワース・ウッド（1889年10月25日生まれ）は、アメリカメジャーリーグにおいて1910年代を中心に活躍した野球選手です。彼は主に投手として名を馳せましたが、怪我によりそのキャリアの後半は外野手としてプレーしました。彼の出身はミズーリ州カンザスシティで、右投げ右打ちの選手でした。

彼のキャリアのスタート

ウッドの野球人生は意外なスタートを切りました。若い頃は一時期女子野球チームに所属しており、その後男性であることが明らかになり、チームから追放されました。しかし、この経験は彼にとって貴重な土台となり、1908年に18歳で地元のマイナーリーグチームからボストン・レッドソックスに昇格しました。初年には6試合に登板し、1勝1敗の成績を残しました。その中の1勝は完封勝利でした。

1910年代の活躍

投手としてのウッドの才能はすぐに開花しました。1909年には驚異の11勝を挙げ、1910年には12勝13敗ながらも防御率1.68を記録しました。特に1911年には、ノーヒットノーランを達成するなど、飛躍的な活躍を見せました。その年の勝利数は23、リーグでの防御率も2.02と素晴らしいものでした。

1912年には、レッドソックスで38試合に先発し、そのうち34試合に勝利を収めるという圧倒的な成績を残しました。彼はその年のワールドシリーズでニューヨーク・ジャイアンツと対戦し、4試合に登板して3勝を挙げ、チームにワールドシリーズ制覇をもたらしました。

怪我とその後のキャリア

しかし、ウッドは1913年の春に大きな怪我を負いました。ゴロを処理中にぬれた芝生で転倒し、親指を骨折しました。復帰後も痛みを抱えながら投球を続けましたが、かつての剛速球の勢いは失われてしまいました。それでも1913年には11勝5敗、1915年には15勝5敗の成績を残し、防御率1.49という好成績を記録しました。

1917年にはレッドソックスを離れ、インディアンスに移籍。そこでウッドは外野手としてプレーを始めました。1918年には66打点と5本の本塁打を放ち、打撃面でも成果を上げました。

最後の年と引退

彼の現役生活は1922年まで続き、この年には150安打、92打点、打率.297という立派な成績を残しました。引退後はエール大学の野球コーチとして活躍し、1942年までその職を続けました。彼の息子、ジョー・フランク・ウッドも1944年にレッドソックスからメジャーデビューを果たしています。

ウッドは1985年にコネチカット州で息を引き取りました。彼の競技者としての功績は、今日でも多くの野球ファンに記憶されています。

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