スラムダンク奨学金

スラムダンク奨学金

スラムダンク奨学金は、人気バスケットボール漫画『SLAM DUNK|SLAM_DUNK』の作者である井上雄彦氏が、バスケットボール界への恩返しとして創設した奨学金制度です。この奨学金は、高校卒業後もバスケットボールを続けたいという強い意志を持つ高校生を対象に、アメリカの大学進学を目指すためのプレップスクールへの留学を支援します。

プログラムの概要

奨学金による支援期間は、高校卒業年の3月から翌年の5月までの約14ヶ月間です。奨学生は3月に渡米し、プレップスクールの寮に入って、9月から始まる学期に向けて準備を始めます。プレップスクールでは、大学進学に必要な学力や英語能力を向上させるだけでなく、スクール内のチームでバスケットボールの技術を磨き、大学進学を目指します。

過去には、アイザイア・トーマス氏の出身校であるサウスケントスクールや、アンドレ・ドラモンド氏や渡邊雄太選手も在籍していたセントトーマスモアスクールなどが留学先として選ばれてきました。

スポーツライターの宮地陽子氏によると、アメリカでは有望な選手には大学側から奨学金が支給されることが一般的ですが、そうでない選手が出場機会を得ることは難しい現状があります。そのため、スラムダンク奨学金では、選手をプレップスクールに進学させ、学力を高めてから大学に進学させるという方針が採用されています。宮地氏は、田臥勇太選手がNCAAディビジョン1からの奨学金なしのオファーを断念したことや、日本の高校からアメリカの大学への進学が少ない現状を考慮し、この制度を歓迎しています。

奨学生

これまでに多くの奨学生がこの制度を利用してアメリカへ留学し、その中にはプロ選手として活躍している者もいます。

第1回（2008）：並里成
福岡第一高校卒業。留学後、英語力の課題から大学進学を断念し帰国。その後、プロ選手として活躍。
第2回（2009）：谷口大智、早川ジミー
谷口大智は洛南高校出身で、ウィンターカップ3連覇のメンバー。アリゾナ・ウエスタン大学を経て、サウスイースタン・オクラホマ州立大学に編入。帰国後、プロ選手となる。早川ジミーは福岡第一高校出身で、谷口と共にアリゾナ・ウエスタン大学に進学。卒業後は豊田通商ファイティングイーグルス名古屋でプレー後、起業。
第3回（2010）：矢代雪次郎
流通経済大学付属柏高等学校卒業後、アリゾナウエスタン大学、アランハンコック大学を経て、ベサニー大学に編入。群馬クレインサンダーズなどでプロ選手として活躍。
第4回（2011）：山崎稜
昌平高校卒業後、タコマコミュニティカレッジに進学するも帰国。埼玉ブロンコスでプロ選手となる。
第6回（2013）：山木泰斗
鶴岡工業高等学校卒業後、ライカミング大学に進学。
第7回（2014）：村上駿斗
山形南高校出身。サウスケントスクール卒業後、パスラボ山形ワイヴァンズと契約しプロ選手となる。
第8回（2015）：猪狩渉
能代工業高等学校出身。IMGアカデミーに編入後、福島ファイヤーボンズと契約しプロ選手となる。
第9回（2016）：酒井達晶
北陸学院出身。聖ジョセフ大学に進学後、群馬クレインサンダーズのアシスタントコーチ兼通訳に就任。
第10回（2017）：鍵冨太雅
福岡大学附属大濠高等学校出身。ボウディン大学に進学。
第11回（2018）：小林良、ホール百音アレックス
小林良は桐光学園高校出身。ブリッジポート大学に進学。ホール百音アレックスは昌平高校出身。BEEFMAN.EXE、横浜ビー・コルセアーズと契約しプロ選手となる。
* 第12回（2019）：木村圭吾
八王子高校出身。実践学園中学時代に全国優勝。八王子学園八王子高校ではインターハイで平均36得点、ウインターカップでは平均41.3得点を記録。


スラムダンク奨学金は、バスケットボールに情熱を注ぐ若者たちに、夢を叶えるための貴重な機会を提供し続けています。

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