スリ・ヴニヴァル

スリ・ヴニヴァル (Suliasi Vunivalu)

1995年11月27日、フィジーのスバで生を受けたスリ・ヴニヴァルは、現在スーパーラグビー・パシフィックの舞台で躍動するラグビーユニオン選手です。彼は主にウィング（WTB）としてプレーしており、その身長192cm、体重99kgという恵まれた体格は、このポジションにおいて大きな武器となっています。

彼のキャリアは、当初ラグビーユニオンではなく、オーストラリアを中心に人気の高いラグビーリーグで花開きました。特に、ラグビーリーグのプロフェッショナルチームであるメルボルン・ストームに所属していた時期には、そのパワフルなランとトライを取る能力で頭角を現しました。ラグビーリーグの国際舞台においても、2017年に開催されたラグビーリーグ・ワールドカップではフィジー代表の一員としてプレーし、その才能を世界に示しました。

ラグビーリーグでの成功を収めた後、スリ・ヴニヴァルは新たな挑戦としてラグビーユニオンへの転向を決断します。これは、ラグビー界では珍しいキャリアパスであり、異なるルールの適応や戦術理解が必要とされるため、容易な道のりではありません。彼は2021年にスーパーラグビー・パシフィックに参戦するオーストラリアの強豪チーム、レッズに加入し、ラグビーユニオン選手としてのキャリアをスタートさせました。

レッズでのプレーを通じて、彼はラグビーユニオンのウィングとして求められるスキル、すなわちフィニッシュ能力、ハイボールキャッチ、防御、そして持ち前のフィジカルを生かした突破力を磨いていきました。スーパーラグビーの厳しい競争環境の中で、彼のパフォーマンスはオーストラリア国内だけでなく、国際的な注目も集めるようになります。

その活躍が認められ、スリ・ヴニヴァルはオーストラリア代表、ワラビーズの一員に選出される栄誉を掴みます。2022年7月16日に行われたイングランド代表とのテストマッチで、彼は途中出場ながらもワラビーズとしての初キャップを獲得しました。2023年8月時点で、彼はオーストラリア代表として2キャップを獲得しており、ラグビーユニオン界最高峰の大会であるラグビーワールドカップ2023のオーストラリア代表スコッドにも名を連ねました。

ラグビーリーグで培ったスピードと突破力、そしてラグビーユニオンで磨いた技術と戦術眼を兼ね備えたスリ・ヴニヴァルは、ウィングとして相手ディフェンスにとって常に脅威となる存在です。彼のプレーは、試合の流れを変えるトライや、ピンチを防ぐ献身的なディフェンスなど、チームに貢献する要素が詰まっています。ラグビーリーグからユニオンへの転向を成功させた彼のキャリアは、多くの後進アスリートにとって刺激となっています。今後の彼のさらなる成長と活躍が期待されています。

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