スリープス・ウィズ・エンジェルズ

『スリープス・ウィズ・エンジェルズ』（Sleeps with Angels）は、ニール・ヤングの20作目のスタジオアルバムで、1994年にリリースされました。この作品は、彼のバンド「クレイジー・ホース」との連名によるアルバムであり、1990年の『傷だらけの栄光』以来の共同作成となりますが、ヤングは1991年にクレイジー・ホースと共演した際のライブ模様も『Weld』や『Arc』といった作品に収録しています。

背景

タイトル曲「スリープス・ウィズ・エンジェルズ」は、1994年に自殺したカート・コバーンを追悼した楽曲として知られています。ヤングは1995年のインタビューで、「この曲は多くの悲しい場面や状況から着想を得たものであり、特定の人物に対するものではない」と語っています。そのため、コバーンとの明確な関係については触れませんでした。このアルバムは、ガレージロックとフォークの要素が見事に融合されています。クレイジー・ホースのベーシスト、ビリー・タルボットは、「これは不気味で神秘的な、非常に独特な作品だ」と述べています。

アルバムには「プライム・オブ・ライフ」や「セイフウェイ・カート」など、ヤング自身がフルートを演奏する楽曲も含まれています。また、「ウェスタン・ヒーロー」と「トレイン・オブ・ラヴ」は同じメロディを共有する曲として注目されています。

反響・評価

アメリカのBillboard 200チャートでは、12週にわたりランクインし、最高9位を記録しました。また、第37回グラミー賞では最優秀ロック・アルバムにノミネートされています。全英アルバムチャートでも2位に達し、22年ぶりにトップ3に入る快挙を成し遂げました。スウェーデンのアルバムチャートでも成功を収め、9週にわたりトップ50入りしています。

オールミュージックのウェブサイトでは、音楽評論家ウィリアム・ルールマンがこのアルバムに5点満点中3.5点を付け、ニール・ヤングがクレイジー・ホースと組んだことに触れつつ、曲のバリエーションの広さを評価しています。また、エンターテインメント・ウィークリーのデビッド・ブラウンはB-という評価をつけ、本作の音楽が陰鬱で雑然としていると指摘し、既存の音楽スタイルに挑戦していることを称賛しました。

収録曲

以下がアルバムに収録されている主な楽曲です。

- マイ・ハート - "My Heart" (2:45)
- プライム・オブ・ライフ - "Prime of Life" (4:04)
- ドライヴ・バイ - "Driveby" (4:44)
- スリープス・ウィズ・エンジェルズ - "Sleeps with Angels" (2:45)
- ウェスタン・ヒーロー - "Western Hero" (4:00)
- チェンジ・ユア・マインド - "Change Your Mind" (14:39)
- ブルー・エデン - "Blue Eden" (6:23)
- セイフウェイ・カート - "Safeway Cart" (6:32)
- トレイン・オブ・ラヴ - "Train of Love" (4:00)
- トランス・アム - "Trans Am" (4:07)
- ピース・オブ・クラップ - "Piece of Crap" (3:15)
- 夢の彷徨 - "A Dream That Can Last" (5:30)

参加ミュージシャン

このアルバムの音楽に携わった主なミュージシャンは以下の通りです。

- ニール・ヤング - リード・ボーカル、ギター、ハーモニカ、タック・ピアノ、アコーディオン、フルート
- フランク・サンペドロ - ギター、バス・マリンバ、ピアノ、エレクトリックピアノ、シンセサイザー
- ビリー・タルボット - ベース、バス・マリンバ、ヴィブラフォン
- ラルフ・モリーナ - ドラムス

このアルバムは、ニール・ヤングのキャリアの中で特に興味深い作品となっており、彼の多様な音楽的探索が反映されています。

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