スリーマイル島原子力発電所

スリーマイル島原子力発電所：事故と再稼働の歴史

スリーマイル島原子力発電所（TMI）は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ハリスバーグ近郊のサスケハナ川に浮かぶスリーマイル島に建設された原子力発電所です。1979年に発生した2号機の炉心溶融事故は世界的な注目を集めました。その後、残された1号機も2019年9月に運転を停止し、廃炉作業が進められていましたが、2024年9月、マイクロソフトとの電力供給契約締結により、再稼働に向けて動き出すこととなりました。

建設と運営の変遷

TMIは、ゼネラルパブリックユーティリティ社（GPU）によって建設され、1974年9月2日に運転を開始しました。当初の運営はGPUの子会社であるメトロポリタンエジソン社が行っていましたが、1979年の事故発生時には、GPUの新たな子会社であるGPUニュークリア社（GPUN）に移管されていました。

GPUNは1998年まで1号機を運転しましたが、その後、アメジェンエネルギー社に売却。さらに、アメジェンエネルギー社への出資企業であったPECOがユニコム社と合併し、2000年にエクセロン社がPECOの出資分を取得。2003年には、エクセロン社がブリティッシュエネルギーグループの出資分も取得し、2017年時点では、エクセロン社の原子力部門がTMIを所有していました。

閉鎖と再稼働の背景

2017年5月、エクセロン社は2019年9月にTMIを閉鎖する予定を発表しました。その主な要因として、シェールガスによるエネルギー価格の低下と、福島第一原子力発電所事故後の運営コスト上昇による採算性の悪化が挙げられていました。その後、閉鎖予定日は2019年9月30日に変更され、同年9月20日に1号機は停止しました。エクセロン社は、今後約60年かけて核燃料を取り出し、廃炉作業を進める計画を発表しました。

しかし、2024年9月20日、事態は一転します。米Constellation社が、マイクロソフトとの間で20年間にわたる電力購入契約を締結したと発表。これに伴い、クレーングリーンエネルギーセンター（CCEC）が開設され、スリーマイル島原子力発電所1号機が再稼働されることとなったのです。

今後の展望

今回の再稼働は、原子力発電所の役割を再評価する上で重要な意味を持ちます。再生可能エネルギーへの移行が加速する一方で、原子力発電は安定した電力供給源としての役割を担うことが期待されています。TMIの再稼働は、エネルギー政策における原子力発電の位置づけを改めて問い直すきっかけとなるかもしれません。

設備

原子炉：加圧水型原子炉（PWR）

関連項目

原子力発電
原子力発電所
原子力事故
* スリーマイル島原子力発電所事故

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